研究課題/領域番号 |
11556010
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山口 裕文 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 教授 (20112542)
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研究分担者 |
梅本 信也 京都大学, 農学研究科, 助手 (60213500)
沖 陽子 岡山大学, 環境理工学部, 教授 (30127550)
佐合 隆一 茨城大学, 農学部, 助教授 (30261746)
石川 枝津子 北海道農業研究センター, 主任研究官
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キーワード | 雑草 / 標準系統 / 系統選抜 / 除草剤 / マイクロサテライト |
研究概要 |
前年度に引き続き、系統育成・評価方法を討議し、イネ科雑草3種について自殖継代を進めるとともに、遺伝的評価を加え、増殖・選果方法を検討した。また、生理的特性や除草剤反応特性評価を含めた4年間の研究内容をとりまとめ、本主題にかかる問題点を整理した報告書を作成した。 イヌビエおよびタイヌビエについては、マイクロサテライト検出用のプライマー8組を設計し、種あたり35系統について多型を調査した。4組のプライマーで多型が検出され、これを使うと、実験系統の固有性を10万分の一程度の誤鑑定率で証明できると推定された。日本のイヌビエとタイヌビエでは調査した系統のうち、同じ遺伝子型を示すのは同じ生育地産の2組4系統であった。自殖系統のなかには遺伝的分離を示すものが一系統あったが、残りは固定度は高かった。また、倍数体でのマイクロサテライトの遺伝様式を明瞭にするために、2倍体種を調べたところ、倍数体で複数のピークをもつマイクロサテライトでも、一つのピークしか示さなかったので、検出しているマイクロサテライトの遺伝的支配は高次倍数体として振る舞うと推定された。栄養系で繁殖するホテイアオイではAFLP分析を行い、実験系統の系図を作成出来た。 頒布用種子の増殖は比較的簡単であったが、収穫の方法はさらに改良が必要と考えられた。雑草ヒエでは選果は風選により効率よく達成できた。系統識別の手法および系統育成の過程については雑草種ごとに要点を報告書にとりまとめた。なお、本研究の成果の中核については、特許・商業化に関連する遺伝標識技術を除いてアジア太平洋雑草学会議において公表した。
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