研究課題/領域番号 |
11556017
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮川 都吉 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (10116676)
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研究分担者 |
高橋 英俊 雪印乳業(株), 生物化学研究科, 主任研究員
平田 大 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (30243603)
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キーワード | 生理活性物質 / Ca^<2+>シグナル / 出芽酵母 |
研究概要 |
当研究室が開発したCa^<2+>シグナル伝達を阻害する生理活性物質のポジティブスクリーニングを実施し、かび培養液から得られた化合物ラディシコールの作用様式を検討した。その結果、ラディシコールはCa^<2+>シグナル活性化による増殖停止、G2期遅延および細胞極性成長のすべてを抑圧した。各種変異株により、作用部位の詳細を検討した結果、ラディシコールはカルシニューリン経路とMpk1 MAPキナーゼ経路が合流したあとの経路の下流、すなわちSwe1キナーゼ周辺を阻害することが示唆された。実際、ラディシコールによりSwe1タンパク質の量が顕著に減少することが明らかとなり、これが増殖回復の原因と考えられた。Swe1タンパク質の分解には影響しなかったので、Swe1タンパク質生成プロセスがラディシコール感受性であることが示唆された。Hsp90阻害によるde novoに合成されたSwe1を不安定化することが原因と考えている。 同様にケミカルライブラリーのスクリーニングで得られた化合物、16C2の作用機構を検討した。各種変異株等を利用した実験により、16C2はカルシニューリン経路を阻害していることが示唆された。しかし、CN依存的に転写誘導されることが知られる遺伝子ENA1およびFKS2の発現には影響がなかった。また、ウシのカルシニューリン活性を直接測定した結果、阻害効果は見いだされなかった。そこで、カルシニューリン経路下流のswe1タンパク質レベルを調べた結果、同タンパク質レベルを低下させることが明らかになった。
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