研究概要 |
研究室では1991年に出芽酵母のカルシニューリン(Ca^<2+>依存性プロテインホスファターゼ)触媒サブユニットをコードする遺伝子を世界に先駆けて取得して以来、その生理機能解明および本機構の医薬開発への応用展開に全力を傾注している。その後の研究において、Ca^<2+>シグナル伝達経路はG_2/M期の細胞周期エンジンCdc28/Clbを負に制御するSwe1キナーゼ活性化を通し、M期進入をブロックする機構を発見し、これが細胞周期"チェックポイント機構"として機能する可能性を提示した(Nature,392,303-306(1998))。この成果に基づいて、本経路における変異株を多数取得し解析することにより、チェックポイント機構の全貌解明および生理的意義解明を目指す研究を展開する一方、この経路を利用し新しい発想に基づく生理活性物質スクリーニング系を着想した。本研究により(1)スクリーニング条件の設定および高効率スクリーニング法の開発、(2)微生物培養液からのスクリーニング実施(3)ケミカルライブラリーからのスクリーニングを実施した。それぞれから候補物質が取得されたので、作用部位の特定を行った。さらに詳細な薬剤作用点の決定及び動物試験をする計画である。
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