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2000 年度 実績報告書

化学的脱ハロゲン化と微生物分解を組合わせた有機塩素化合物汚染土壌の処理法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 11556018
研究機関九州大学

研究代表者

古川 謙介  九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90221556)

研究分担者 宮 晶子  荏原総合研究所, 室長
後藤 正利  九州大学, 大学院・農学研究院, 助手 (90274521)
吉野 貞蔵  九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (80117291)
キーワードテトラクロロエチレン / 脱クロル化 / Desulfitobacterium / ハイブリッド株 / バイオレメディエーション / 微生物分解
研究概要

本研究は化学的脱ハロゲン化と微生物分解を組合わせることにより、効率的に環境汚染物質である有機塩素化合物を分解処理する方法を開発することを目的とする。本年度は地下水、土壌を深刻に汚染しているテトラクロロエチレン(PCE)を対象に以下の研究を実施した。
(1)PCE脱クロル化嫌気性菌に分離
PCEで汚染された土壌からPCEを強力に脱クロル化する絶対嫌気性菌Desulfitobacterium sp.Y51株を分離した。本菌株は0.6μMの低濃度から飽和濃度の960μMの高濃度のPCEを短時間にcis-1,2-ジクロロエチレン(cis-DCE)へと脱クロル化した。PCEの他にトリクロロエチレン(TCE)、ヘキサクロロエタン、ペンタクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタンにも作用し、いずれの化合物からもcis-DCEが生成した。しかし、cis-DCEには作用せず、これが最終産物として蓄積した。
(2)cis-DCEの微生物分解
cis-DCEはTCEとともにメタン酸化細菌やトルエン資化菌の産生するオキシグナーゼにより分解される。本研究では以前にビフェニルジオキシゲナーゼとトルエンジオキシグナーゼの大サブユニットを交換したハイブリッド酵素TodC1-BphA2-BphA3-BphA4がTCEおよびcis-DCEを効率よく分解することを明らかにした。本研究でこの遺伝子クラスターを染色体に組み込んだPseudomonas pseudoalcaligenes株はトルエン資化菌よりはるかに速やかにcis-DCEを酸化分解することを明らかにした。
(3)PCE脱クロル化嫌気性菌とcis-DCE分解菌を組み合わせたPCEの完全分解
上記PCE脱クロル化嫌気性菌Y51株とcis-DCE分解ハイブリッド菌の静止菌体を用いてまず、PCEの嫌気的脱クロル化ついで生成したcis-DCEの酸化分解を行うことでPCEの完全分解を実証した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Nishi,A.,Tominaga,K.and Furukawa,K.: "A 90 kilo base conjugative chromosomal element coding for biphenyl and salicylate in Pseudomonas putida KF715"J.Bacteriol.. 182. 1949-1955 (2000)

  • [文献書誌] Furukawa,K.: "Engineering dioxygenases fro efficient degradation of environmental pollutants"Curr.Topics.Biotechnol.. 11. 244-249 (2000)

  • [文献書誌] Watanabe,T.,Inoue,R.,Kimura,N.and Furukawa,K.: "Versatile transcription of biphenyl catabolic bph operon in Pseudomonas pseudoalcalinese KF707"J.Biol.Chem.. 275・40. 31016-31023 (2000)

  • [文献書誌] 古川謙介,陶山明子: "難分解性有機ハロゲン化合物の微生物分解の現状と展望"生物と化学. 38. 390-397 (2000)

  • [文献書誌] 末永光,古川謙介: "微生物によるPCBの分解"ファインケミカル. 29. 5-16 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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