研究概要 |
光学活性化合物のエナンチオマーの超高感度識別試薬としての蛍光性不斉誘導化試薬(S)-2-^tブチル-2-メチル-1、3-ベンゾジオキソール-4-カルボン酸(1)を開発し,それを用いて海洋性天然物であるシガトキシン、ガンビエール酸の絶対構造式の決定を行なった。また1を用いた新しいキラル分析法オンラィン-HPLC-励起子CD法を開発し、グリセロール類の絶対構造式決定を行なった。さらに、1より不斉識別能の優れた(S)-2-メチル-2-β-ナフチル-1、3-ベンゾジオキソール-4-カルボン酸(2)を開発し、オリゴ糖の構成単糖のD,Lまで決定できる糖のメチル化分析システムを開発した。本システムにより、オゴ海苔食中毒の原因物質であるポリカルベノシドAの絶対構造式の決定を行なった。次に、分岐メチル脂肪酸の超微量絶対配置決定のための試薬、(R,R)-または(S,S)-2-(2,3-アントラセンジカルボキシイミド)シクロヘキサノール(3)を開発し、カルボキシル基から2〜24位までの分岐メチルをもつ脂肪酸のナノグラムレベルでの絶対配置決定システムを開発した。このシステムでセラミド類およびガングリオシド類の絶対構造式の決定を行なった。 さらに、光学活性アルコールおよびアミン類の絶対構造式決定のための蛍光性不斉誘導体化試薬、(R,R)-および(S,S)-2-(2,3-アントラセンジカルボキシイミド)シクロヘキサンカルボン酸(4)、と3,4,6-トリ-O-アセチル-2-デオキシ-2-(2、3-ナフタレンジカルボキシイミド)-β-D-グルコピラノシルブロミド(5)を開発した。4を用いる一級および2級アルコールの絶対構造式決定システムの開発を行なった。
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