研究課題/領域番号 |
11556020
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
杉本 幸裕 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 助教授 (10243411)
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研究分担者 |
福井 泰久 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00181248)
中島 廣光 鳥取大学, 農学部, 教授 (40144646)
稲永 忍 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (40124664)
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キーワード | 根寄生雑草 / ストライガ / 発芽刺激物質 / 発芽阻害物質 / フザリウム / トリコテセン / ソルガム |
研究概要 |
本年度は、根寄生雑草の発芽刺激物質の精製と並行して、発芽阻害物質の精製に注力した。スーダンのソルガム畑で立ち枯れたストライガ(Striga hermonthica)の個体から分離したFusarium solaniの代謝産物がストライガの発芽を阻害することを見いだした。本菌のメタノール抽出物を水に懸濁し、ヘキサンで脱脂後、クロロホルムで活性成分を抽出した。これをシリカゲルカラムで分離し、4つの活性画分を得た。各種機器分析によりそれぞれに含まれる主成分を、neosolaniolおよびその3種のアセチル化物(acuminatin,8-acetylneosolaniol,diacetylneosolaniol)と同定した。これら一連のトリコテセン(trichothecenes)のストライガに対する発芽阻害活性はアセチル化に伴い上昇し、diacetylneosolaniolと8-acetylneosolaniolは10ppmで完全にストライガの発芽を阻害した。本菌が最も多量に生産する8-acetylneosolaniolについて、宿主植物のソルガムの初期生育に対する影響を調べた。本物質は10ppmではソルガムの発芽に全く影響を与えなかった。100ppmでも発芽率を10%ほど低下させたのみであった。一方、ソルガム幼植物の生育は発芽よりも大きな影響を受けた。10ppmで地上部の生育は20%、根の伸長は40%阻害された。
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