研究概要 |
AAX,AXA,XAAのAにHisまたはTyrを個定し,Xには化学的特性でグループ分けしたアミノ酸残基を導入しだトリペプチドと,Leu-(His/Trp)-A,Pro-(His/Trp)-A,Arg-(His/Trp)-AのAに各種のアミノ酸残基を導入したトリペプチドのライブラリーを作成した。ロダン鉄法でリノール酸自動酸化における抗酸化活性をスクリーニングした結果から,Tyr-(His,Lys,Arg)-Tyrを選抜し,サブライブラリーからTyr-His-Tyrが最も強い活性を持つことを明らかにした。このトリペプチドライブラリーは,フリーラジカル捕捉型抗酸化剤に対して大きな相乗効果を示した。C末端にHisを持つトリペプチドでは,Hisを他のアミノ酸に置換しても活性に変化はみられず,また,N末端のProをLeuまたArgに換えても活性に大きな変化はみられなかった。しかし,中心のHisをTrpに換えると抗酸化活性が大きく減少した。ABTSのラジカルカチオン消去活性では,C末端にTrp及びTyrを持ったトリペプチドが強い活性を示した。一方,窒素酸化物ラジカルの消去作用においては,システイン残基を含むトリペプチドに活性がみられ,CYYとYYCの作用はYCYより強かった。大豆タンパク質および卵白アルブミンのペプシン消化物にも活性があった。
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