研究分担者 |
八村 敏志 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40238019)
久恒 辰博 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (10238298)
戸塚 護 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 客員助教授 (70227601)
渡邊 裕子 神奈川県衛生研究所, 研究員
永渕 真也 明治乳業株式会社, 栄養科学研究所, 研究員
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研究概要 |
(1)腸管免疫応答の解析 卵白アルブミン(OVA)を経口摂取させたOVA特異的T細胞抗原レセプタートランスジェニックマウス(TCR-Tg)より分離した抗原提示細胞を用いてin vitroにおいてT細胞に抗原を提示させた場合,そのT細胞の応答が低下した.すなわち抗原を経口投与したTCR-Tgの脾臓由来抗原提示細胞を用いてin vitro経口免疫寛容誘導を再現できた.また,OVAの経口摂取によりTCR-Tgにおいて小腸組織のヒスタミン含量の変化,下痢症状,体重減少が観察され,この実験系の消化管アレルギーモデルとしての有用性が確認された. (2)腸管免疫細胞を用いた評価系による食品成分の免疫機能の解析 ヌクレオチドの経口投与によりIEL(小腸上皮内リンパ球)サブセットのうちのγ δTCR発現T細胞が増加する現象について,その機構を検討した.小腸上皮細胞のサイトカイン産生を調べたところ,γ δTCR発現T細胞の発生分化に重要な役割を果たすインターロイキン(IL-)7の産生,およびIgAの産生に重要なTGF-βの産生が,ヌクレオチドの経口投与により増強されることを見いだした。ラップフィルムの可塑剤アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)の経口投与によりOVAを経口摂取したTCR-Tgにおける小腸組織のヒスタミン含量が変化し,ATBCがアレルギー反応に影響することが示唆された.
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