研究課題/領域番号 |
11556025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
坂田 完三 京都大学, 化学研究所, 教授 (20087563)
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研究分担者 |
山本 繁 天野製薬株式会社, 中央研究所, 研究員
小池田 聡 天野製薬株式会社, 中央研究所, チームリーダー
水谷 正治 京都大学, 化学研究所, 助手 (60303898)
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キーワード | グリコシダーゼ / プリメベロシダーゼ / 二糖配糖体 / 香気 / 植物 |
研究概要 |
【チャ樹プリメベロシダーゼの精製とクローニング】緑茶用品種やぶきた種チャ葉からβ-プリメベロシターゼを抽出し、p-ニトロフェニルペリメベロシド加水分解活性を指標に3段階のカラムクロマトグラフィーによって、電気泳動的に単一な酵素標品を得、N末端及び内部部分アミノ酸配列を決定した。これを基にチャ葉のcDNAライブラリーから本酵素のcDNAをクローニングした。N末端アミノ酸配列はcDNA配列から推定されるアミノ酸配列の29残基目以降と一致し、28残基目まではシグナルペプチドと推定された。推定成熟タンパク質の分子量は54,324であるのに対し、精製酵素の分子量は約61,000であることから、本酵素のN-グリコシド糖鎖による修飾が示唆された。アミノ酸配列は、青酸配糖体を加水分解するβ-グルコシダーゼと約60%の相同性を示した。そこで、成熟酵素の組み替えタンパク質を大腸菌で発現させたところ、β-プリメベロシダ-ゼ活性を示したのに対しグルコシダ-ゼ活性をほとんど示さないことから本酵素の二糖特異的加水分解活性が明らかとなった。 【プリメベロシダ-ゼ産生微生物のスクリーニング】オイゲニルβ-プリメベロシド配糖体を唯一の炭素源とした培地中で各種土壌懸濁液の集積培養を行い、その培養液を選択寒天培地に塗布し生育したコロニーを選抜した。これら菌株についてプリメベロシダ-ゼ活性および加水分解様式を検討した結果、4種の菌株がプリメベロシダ-ゼ活性を持つことを確認した。そのうち最も活性の強かったものについて菌学的性質を検討した結果、Aspergillus fumigatusであることが判明しAspergillus fumigatus Pr20と命名した。培養上清から各種クロマトグラフィーにより精製した結果、SDS-PAGE上4.7kDaの単一バンドからなる酵素標品を得た。現在本酵素の遺伝子クローニングを行っている。
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