研究課題/領域番号 |
11556031
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中坪 文明 京都大学, 農学研究科, 教授 (10027170)
|
研究分担者 |
山根 千弘 旭化成(株), 高分子科学研究所, 研究職
斉藤 政利 旭化成(株), 高分子科学研究所, 室長
上高原 浩 京都大学, 農学研究科, 助手 (10293911)
|
キーワード | セルロース / ハイブリドセルロース誘導体 / p-n-aklyloxytrityl chloride / p-n-aklyloxytrityl cellulose誘導体 / 溶媒溶解性 / 熱溶融性 / 液晶性 / 6-deoxycellulose |
研究概要 |
今年度は、p-n-aklyloxytrityl chloride試薬のより簡便な合成法を確立し、セルロースに反応させ、得られたセルロース誘導体の性質について検討した。また、性質の比較のために6-deoxycelluloseを新規に調製した。 結果1(試薬の新規合成法の開発):アルキル鎖の炭素数が4、12、14、18のp-n-aklyloxytrityl chlorideをp-hydroxylbenzophenoneから5段階の反応をへて高収率で合成することに成功した。なお、得られた試薬の純度がセルロース誘導体の調製に影響し、再結晶化により十分に精製することが極めて重要であることが判明した。結果2(セルロース誘導体の調製):上記のアルキル鎖の炭素数の異なる試薬を、DMAc/LiCl系の均一系でセルロースと反応させ、各種のp-n-aklyloxytrityl cellulose誘導体を調製した。その構造は各種スペクトル分析、元素分析などにより決定した。その結果、置換度ほぼ1(0.93∇0.98)の新規各種セルロース誘導体の高収率合成に成功した。結果3(セルロース誘導体の性質):得られたセルロース誘導体の各種溶媒溶解性テストの結果、アルキル鎖が長くなると当然のことではあるが、クロロホルム(溶解度パラメータ:δ=9.1)からDMS0(δ=12.8)までの幅広い溶解スペクトルを持つセルロース誘導体が得られた。また、熱溶融性については、それらのアセチル誘導体は融点125〜250℃を持ち、液晶性を示すことが見出された。これらは、溶媒溶解性よび熱溶融性ハイブリドセルロース誘導体フイルムの調製を可能性を示唆する興味深い結果である。結果4(6-deoxycelluloseの調製):6位特異的置換セルロース誘導体の性質と比較検討するために6位に水酸基を持たない6-deoxycelluloseを開環重合により新規に合成した。得られたポリマーの溶媒溶解性、熱溶融性は、上記のセルロース誘導体の性質と比較すると興味深い。
|