研究課題/領域番号 |
11556034
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
山内 秀文 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 助手 (90279513)
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研究分担者 |
PULIDO O. R. 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 研究員
馬 靈飛 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 研究員
佐々木 光 秋田県立大学, 木材高度加工研究所, 教授 (50027158)
木村 有一 庄内鉄工(株), 設計室長(研究職)
桜庭 弘視 (株)丸新製作所, 研究員
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キーワード | スギ樹皮 / 床暖房 / 蒸気噴射プレス / 熱伝導 / 厚物成形ボード / 小規模生産 |
研究概要 |
13年度は、まず12年度に試作した金型を用い、床暖房基材樹皮ボードの作成実験を行った。ボードは強度と断熱性を加味し、気乾(含水率約15%)比重が凸部で0.40、凹部で0.45とし、厚さは凸部で45mmとした。接着剤にイソシアネート樹脂接着剤(日本ポリウレタン(株)製、WC-300)を全乾樹皮重量に対し10%添加した。また、フォーミング方法の差異による成型性への影響も実験した。ボード原板は蒸気噴射プレスを用い、約1000×2000mmで作成した。成形時間はプレス温度160℃で1枚3-5分であった。この原板から2枚のユニット(900mm角)を得た。ユニットは間取りに合わせ隙間なく敷き詰められることを考慮し、四辺にさね加工を施した。原板にして30枚作成後にも、フッ素加工を施した成形型の離型性に変化はなかった。ボードの厚さ規制はプレスの自動厚さ制御で行ったが、製造後のボードに±1mm程度の厚さムラが生じ、後の施工実験ではベルトサンダーにて厚さを揃える必要があった。また、フォーミング方法によってはパンクが生じることが確認された。 作成したボードを用いて、実大のモデル住宅に暖房床を施工した。部屋は約12畳で、ここを3分割して、2画分に2種類の配管パターンを施工した。残る1画分は床板を着脱可能として、床板の含水率変化やそりの測定などが行えるようにした。フローリングは15mm厚のスギ無垢板を用いた。施工に平行して、1畳大の床暖房モデルを用い、熱拡散材料の違いによる暖房効果の差異を検討した。ここで最も効率的と思われる床構成を、着脱可能部分に施工し、床構成による暖房効果の差異を測定した。 これら一連の実験の結果、この暖房床が市販のそれと比べ遜色のない暖房効果と仮設床暖房では得られない優れた意匠性を持つこと、配管の自由度が高く、施工が非常に簡単であることなどを確認した。
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