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2000 年度 実績報告書

栽培技術の根幹となる環境収容力:ヒラメ稚魚でのモデル的解析

研究課題

研究課題/領域番号 11556036
研究機関京都大学

研究代表者

田中 克  京都大学, 農学研究科, 教授 (20155170)

研究分担者 青海 忠久  福井県立大学, 生物資源学部, 助教授 (10144338)
上野 正博  京都大学, 農学研究科, 助手 (30160196)
林 勇夫  京都大学, 農学研究科, 教授 (70026540)
津崎 龍雄  日本栽培漁業協会, 場長(研究職)
富永 修  福井県立大学, 生物資源学部, 助教授 (90264689)
キーワードヒラメ / 稚魚 / 実験放流 / 放流の影響 / 摂食生態 / 放流場所
研究概要

これまでの放流及び放流サイズがその後のヒラメ稚魚の生残や成長に及ぼす影響の検討に加え、本年度には環境条件の異なった放流場所の影響を調べる放流実験を行った。放流場所にはこれまで放流実験を行ってきた福井県和田浜と天然ヒラメ稚魚の生態調査を続けてきた京都府由良浜を選定した。前者はアミ類の種構成が多様で量は少ない反面、強力な捕食者や競合者も少ないのに対し、由良浜は逆の特徴を持つ。6月7日及び8日にそれぞれの海域に全長5.5cmの人工種苗を6万尾ずつ放流し、追跡調査を行った。両海域ともにほぼ同様の曳網方法と曳網回数にも関わらず、和田浜では180尾の放流稚魚が再捕されたのに対し、由良浜での再捕はわずかに6尾のみであった。このような差が生じた原因は不明であるが、由良浜の群集構造はより複雑で放流直後に強度の捕食圧がかかった可能性が推定された。
ヒラメ稚魚と同様にアミ類を摂餌する魚類としてアラメガレイ・ホウボウ・イシガレイがあげられた。これら3種の時空間分布より、汀線付近での放流ヒラメ稚魚の高密度化とイシガレイの分布が重なり、胃内容物を調べた結果、放流によるヒラメ稚魚の高密度化により、イシガレイ稚魚の胃内からアミ類が消え、放流による一時的な他魚種の摂食への影響が明らかとなった。また、過去の放流と同様に、局所的な放流によりその近辺の天然ヒラメ稚魚の空胃率が著しく上昇することも再確認された。

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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