研究課題/領域番号 |
11556037
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
渡辺 翼 北里大学, 水産学部, 教授 (30095517)
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研究分担者 |
飯田 貴次 宮崎大学, 農学部, 教授 (70159557)
渡部 終五 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40111489)
矢野 友紀 九州大学, 農学部, 教授 (90038266)
中村 弘明 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (80137728)
鈴木 譲 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40107412)
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キーワード | エリプソイド / マクロファージ / 好中球 / オプソニン / IgMのmRNA / 活性酸素 / レクチン / メラノマクロファージセンター |
研究概要 |
渡辺は、中村とともにウナギ目魚類の脾臓に異物処理の機構(エリプソイド)が発達しているのを見いだしたが、主に生体内の老朽化細胞の除去に働いていることが判った。また、培養マクロファージを用いて、魚類の食細胞系の機能と各種環境因子の免疫系に対する影響を調べる実験系を確立した。飯田は、魚類の好中球が貧食する際にNADPH酸化酵素により活性酸素が産生され、病原体の殺菌に重要な役割を果たしていることを明らかにしている。矢野は魚類のC3成分の遺伝子クローニングとそのレセプターの発現について検討中で、飯田、渡辺と魚類の免疫担当細胞での発現が指標となるか否かについて検討中である。また、コイのmannose結合性レクチンを用いて魚類レクチンの免疫学的意味についてもしらべており、レクチンによる補体系の活性化ならびにオプソニン活性を免疫機能検査に応用しようとしている。鈴木は、杉とともに魚類のIgMのmRNAの測定法をほぼ確立し、この方法は短時間の培養で結果が出るため、抗体産生能に影響する様々な因子を解析する手段として有望であ乱中村は、ハゼ科の魚類を用いて食細胞系の機能、メラノマクファージセンターの役割などについて検討中で、渡辺と連携して、食細胞系特にマクロファージ検査法を確立しっっある。渡部は、脊椎動物に広く分布するビメンチンの魚類での発現様式を調べており、魚類の免疫機能の指標となるかどうかを検討中である。これらの成果は、平成14年度日本水産学会大会のシンポジウム「魚類の免疫系」において紹介され、今後の研究の展開についても討論される予定である。また、水産学シリーズの1冊として平成15年春に刊行の予定である。
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