研究課題
基盤研究(B)
わが国沿岸で海洋無脊椎動物を採集し、それらについて種々の生物活性スクリーニングを実施するとともに、活性物質の単離・構造決定および作用機序の解析を行い、試薬の開発を試みた。1.新規活性物質の単離と構造決定八丈島産海綿Theonella swinhoeiからセリンプロテアーゼ阻害活性を示すペプチドのPseudotheonamide類を単離し、cyclotheonamide類と共通の部品を持ち環化の様式が異なるペプチドであることを明らかにした。ラット繊維芽細胞に顕著な形態変化を引き起こす3種の新規イソマラブリカントリテルペンをStelletta globostellataから単離・構造決定しするとともに、当該テルペンの構造-活性相関を検討した。次に、細胞毒性を示す7つの3-アルキルピリジンをXestospongiaおよびAmphimedon属の2種の海綿から単離・構造決定した。さらに、新規カリクリン誘導体を単離・構造決定し、かつ化学的に誘導した誘導体と天然物についてタンパク質リン酸化酵素に対する阻害作用を詳細に調べ、構造・活性相関についての重要な知見を得た2.作用機序の解析IP_3レセプター阻害剤である海綿由来アルカロイドxestospongin Cを用いて、心筋のα受容体刺激による収縮増強にIP_3レセプターを介するカルシウムイオンの遊離が関与することを明らかにした。また、カルモジュリン阻害物質であるstellettamide誘導体の活性についても詳細な検討を加えた。八丈島産の海綿Theonella sp.由来の双環性ペプチドのtheonellamide Fの標的分子を特定するための研究を行った。まず、動物細胞に対する作用を詳細に検討し、この化合物の存在下培養を行うと、細胞内に多数の液胞が生じることを見いだした。
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