研究課題/領域番号 |
11556043
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
大野 研 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (90144229)
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研究分担者 |
工藤 庸介 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (80305656)
葛西 紀巳子 有限会社色彩環境計画室, 代表(研究職)
大野 博之 応用地質(株), 技術本部河川部, 主任(研究職)
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キーワード | 農村景観 / フラクタル / 風土 / 景観設計 / 景観評価 |
研究概要 |
昨年度開発したフラクタル理論を応用した景観評価手法5種類を、我々が撮影した農村風景写真95枚に対して適用した。また昨年度フラクタル理論による景観評価を行った河川を中心とした農村風景写真60枚に対して、アンケート調査を行い、フラクタル理論による客観的な景観評価と人間による主観的な景観評価の対応を検討した。本年度行った95枚の写真に対する景観評価は、昨年度行った河川を中心とした農村景観評価より複雑な構造を持っていることが判明した。すなわち、河川を中心とした景観評価では大きく分けると、過度に整備された人工的な景観で好まれないものと、適度に整備された自然な景観で好まれるものの2種類に分類されたが、本年度の一般的な農村景観評価では、上記の2種類に加え、あまりに整備されていないために好まれない景観が存在した。アンケート結果による景観評価では、河川を中心とした農村景観は、整然として安全を感じさせるがあまり好まれない人工的な景観、整然として安全を感じさせ好まれる自然的な景観、雑然として危険を感じさせあまり好まれない人工的な景観、雑然として危険を感じさせ好まれる自然的な景観の4種類に分類されることが判明した。これらの分類とフラクタル解析結果との対応としては、整然として安全を感じさせるがあまり好まれない人工的な景観のみが特徴的な分布を示し、その他の3種類は区別がつきにくいものが多かった。しかし、パワースペクトルを利用したフラクタル解析では、整然として安全を感じさせ好まれる自然的な景観が特徴的な分布を示した。したがって、我々の開発した5種類の景観評価手法を組み合わせれば、景観の破壊を防いだり、景観へのインパクトを最小にした開発手法が検討できると思われる。
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