研究課題/領域番号 |
11556046
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物環境
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
富士原 和宏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30211535)
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研究分担者 |
谷野 章 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (70292670)
兼子 敬子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (50332599)
荊木 康臣 山口大学, 農学部, 助教授 (50242160)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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キーワード | 光阻害 / 活性酸素 / 電気分解水 / 電解陰極水 / 光質 / ESR / 化学発光法 / カルテノイド |
研究概要 |
本研究の目的は、作物栽培での灌水用の水の処理や栽培管理法を工夫することによって、作物が受ける光阻害を抑制する方法を開発することである。先行する論文に、「電解陰極水には、活性酸素を除去する能力がある」ことを示したShirahata et al.(1977)がある。この論文に刺激されて、電解陰極水を作物に与えることによって光阻害を抑制することができるという作業仮説をたてた。なぜなら、光阻害は、活性酸素によって引き起こされるからである。そこで、サツマイモ葉からのプロトプラストを用いて、クロロフィル蛍光(Mini-PAM)による光阻害の程度の測定、および同じ材料を用いたLucigeninによるO_2^-生成量の測定で、作業仮説を検証した。その結果、作業仮説は立証できなかった。そこで、電解陰極水の溶液中のO_2^-除去能力をCytochrome C還元法で測定し、SOD(Superoxide dismutase)のそれと比較した。その結果も作業仮説を支持するものではなかった。また、純水と電解陰極水中でO_2^-を発生させ、その量をESRで測定したが、電解陰極水での発生量が純水よりも多かった。 作業仮説は否定されたので、画像として葉の活性酸素を検出するシステムを完成させることとした。活性酸素種としては過酸化水素を選び、検出方法としてLuminolの発光を用いた。Luminolの葉への導入方法に課題は残ったが、インゲン葉での過酸化水素の分布を可視化できた。 最後に、水ではなく光質で光阻害を抑制することを最終目的に、青色光・赤色光・白色光による栽培がコマツナのカルテノイド含量に与える影響を調べた。カルテノイドは活性酸素発生を抑制する能力をもつかある。その結果、赤色光が、他の色の光に比べて、カルテノイド含量を増やす作用のあることがわかった。
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