研究課題/領域番号 |
11556049
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
六車 三治男 宮崎大学, 農学部, 教授 (50091369)
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研究分担者 |
大橋 登美男 オーム乳業株式会社, 研究部, 部長(研究職)
河原 聡 宮崎大学, 農学部, 助手 (30284821)
山内 清 宮崎大学, 農学部, 教授 (90040865)
杉田 浩一 (社)IA食品開発研究所, 所長(研究職)
農 信介 オーム乳業株式会社, 開発部, 部長(研究職)
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キーワード | 乳ペプチド / 肉製品 / 食感 / 発色 / リン酸塩 / アレルゲン / 亜硝酸塩 / 安全性 |
研究概要 |
本研究は、乳タンパク質を酵素分解することにより調製した低アレルゲン化乳を配合して硝酸、亜硝酸塩等の添加量を少なくアレルギーにも対応した発色助剤・退色防止剤の発色促進機構の解明と製品化を目的としている。さらに、機能改善乳ペプチドの肉製品への添加によるレオロジー特性調節機能の解明を通じて、高齢者用の食品に添加する素材の開発をも目的としている。そこで平成11年度はまず、乳タンパク質としてホエータンパク質(WPC)を用いて3種類の酵素による限定分解と処理条件の検討を行い、詳細な分解様式を分解産物のSDS-PAGEパターンやHPLC分析から解析し、サイズの異なる乳由来ペプチドを作出する技術を確立した。次に、それらのペプチドを添加して豚肉ソーセージを作製してレオロジー特性を検討した結果、酵素分解ペプチドには肉製品のレオロジー特性調節作用が認められ、さらに、肉製品の品質に極めて重要な性質である保水性や結着性を付与するリン酸塩の添加量を減少させても、良好な結着性の得られることが明らかになった。さらに、酵素分解乳ペプチドを添加して製造した肉製品の発色試験を行った結果、亜硝酸塩の使用量を減少させても効果的な発色促進作用が認められ、天然由来の発色助剤として利用できる可能性が示唆された。 以上の結果から、酵素分解乳ペプチド製品を肉製品を添加することにより、食肉製品の食感が改善されると同時に、亜硝酸塩を低減しても発色効果を持つ肉製品製造の可能性が示唆された。今後は乳ペプチドのサイズや種類と食感改善効果との詳細な検討を行い、高齢者の咀嚼機能に適合する製品を作製する基礎的知見を得ることと、乳ペプチド添加により得られる発色促進機構の解明を行っていく予定である。
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