研究課題/領域番号 |
11556050
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研究機関 | 宮城県農業短期大学 |
研究代表者 |
石田 光晴 宮城県農業短期大学, 畜産科, 助教授 (40151386)
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研究分担者 |
鈴木 啓一 宮城県畜産試験場, 養豚家きん部, 上席主任研究員
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キーワード | 脂質性状 / 脂肪酸組成 / コレステロール / 遊離アミノ酸 / 食味試験 / デュロック種 / 系統造成 / 豚肉 |
研究概要 |
市販の鹿児島県産黒豚、宮城県産宮城野豚、群馬県産赤城もち豚の3品種について、異なる調理法で調理し、ロース中の脂質含量、脂肪酸組成および呈味成分の変動を調べ、食味試験を行った。全脂質含量はいずれの調理法においても加熱後に増加し、特に宮城野豚が加熱による影響を受けやすかった。生肉の全脂質含量を比較するともち豚が最も高かった。コレステロール含量は品種間の比較では一定の傾向がなかった。脂肪酸組成はステアリン酸およびリノール酸で各品種間に大きな差があった。遊離アミノ酸の変動は、調理法の種類、保存温度および保存期間による違いが認められたが、銘柄による一定の傾向はみられなかった。グルタミン酸および総遊離アミノ酸の含量は、宮城野豚が他に比べて低かった。食味試験においては、香り、歯触り、酸味、旨味、総合風味について評価した。香りは一定の傾向がなかった。歯触りは黒豚ともち豚で柔らかかった。酸味は加熱当日よりも1〜2日後の方が感じられた。旨味はもち豚が濃く、宮城野豚が薄い傾向であった。総合風味は、もち豚の評価が高く宮城野豚で低かった。 デュロック種雄豚固定化第五世代の雌豚24頭、去勢豚52頭のロースを採取した。ロース全脂質は雌3.91%、去勢4.90%となり去勢の方が雌より高かった。第四世代以外は雌豚より去勢豚の方が高い値を示した。第五世代の雌および去勢豚の脂肪酸組成を比較すると、ロース全脂質ではオレイン酸が去勢の方がやや高い値を示した以外はほぼ同じ値となった。世代間では、雌豚ロース全脂質でオレイン酸および不飽和度は第一世代と比べると増加し、5%、1%水準で有意差が認められた。去勢豚ロース全脂質では、パルミチン酸、ステアリン酸が第四世代から第五世代でやや増加した。逆にリノール酸や不飽和度は有意(1%水準)に減少した。
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