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1999 年度 実績報告書

分子遺伝学を応用したブタ体細胞クローン動物の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 11556051
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

内藤 邦彦  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20188858)

研究分担者 菊地 和弘  農水省, 農業生物資源研究所, 主任研究官
山内 啓太郎  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70272440)
東條 英昭  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20041668)
キーワードブタ卵 / 体細胞クローン / 核除去 / 核移植 / MPF / MAPK
研究概要

本研究の最終的な目標は体細胞クローンブタを作出すること、さらにその過程で胚の発生を左右する重要な要因の動態を解析することである。
本年度は核移植胚の再構築技術の確立に重点を置き、マウスで報告されている方法を基にブタに適するよう改変した。まずブタ成熟卵から第二減数分裂中期の紡錘体を識別する方法として、卵を蛍光色素で染色した後に蛍光顕微鏡下で判別する方法を用いた。卵子に対する悪影響を考慮し蛍光照射時間は数秒以内とし、ピエゾ装置を用いて紡錘体の除去に成功した。現在1回に30個ほどの核除去卵が作成可能である。次にウシ、マウスで成功例が報告され採取も容易な卵丘細胞の核をドナー核とし、直接卵細胞質中に注入する方法を採用して、現在のところ1回に15個ほどの核移植ができるようになっている。移植された核は卵の高MPF活性を反映して核膜崩壊、染色体の凝縮が起こることを確認した。現在卵子の活性化法としてストロンチウム、エタノール、バナデイト、チメロザールを検討し、バナデイト、チメロザール以外は効果が低いとの結果を得ている。活性化機構を勘案しチメロザールを主に用いていく予定である。活性化後前核が形成されることは確認しているが、まだ卵割を起こすには至っていない。
また、本年度は核除去卵の細胞分裂制御因子の動態も解析した。未成熟卵から核(GV)の除去法を確立し、1回に50個以上の核除去卵の作成が可能となった。これを培養し、タンパク質合成、卵成熟制御因子(MPF)およびMPF活性に影響すると考えられるMAPKの活性を測定したところ、正常卵と全く同様の動態を示し、卵はたとえ核が無くても細胞質に分裂を進ませる力が備わっていることを確認した。このことは体細胞核移植の場合、当面は卵細胞質のこれらの因子により発生が進行することを示した点で意義あるものと思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Koji Sugiura: "Analysis of the germinal vesicle requirement for the activation of MPF in maturation of porcine oocytes"J.Mamm.Ova Res.. 16・3. 130-134 (1999)

  • [文献書誌] Kunihiko Naito: "Establishment of a small-scale western blotting system named as "micro-western blotting" for mammalian ova analysis"J.Mamm.Ova Res.. 16・3. 154-157 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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