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2000 年度 実績報告書

ウシの成長に伴う脂肪前駆細胞増殖分化活性の変動に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11556053
研究機関京都大学

研究代表者

矢野 秀雄  京都大学, 農学研究科, 教授 (20026587)

研究分担者 松井 徹  京都大学, 農学研究科, 助教授 (40181680)
キーワードウシ / 脂肪前駆細胞 / 脂肪細胞分化 / 亜鉛 / NO / NOS / L-NAME / NOC18
研究概要

亜鉛はインスリン様作用やインスリン増強機能を有し、3T3-L1細胞において脂肪細胞分化を促進することを報告したが、ウシはインスリンに対する感受性が低く、亜鉛がウシの脂肪細胞分化に効果があるかどうかは不明である。そこで、ウシ脂肪前駆細胞の初代培養系を用いて、亜鉛が脂肪細胞分化に及ぼす影響について検討した。また、亜鉛は一酸化窒素合成酵素(NOS)活性を抑制することが知られており、亜鉛がNO産生に及ぼす影響、およびNOが脂肪細胞分化に及ぼす影響についても併せて検討した。
肥育牛の筋間脂肪組織からコラゲナーゼ消化により脂肪前駆細胞を含む間質脈間系細胞群を調整し、これを播種しコンフルエントまで培養した後、第一実験ではインスリンを含む5%FBS含有DMEM/Ham'sF12培地と含まない培地の両方に塩化亜鉛を0から100μMの濃度で添加し、14日間培養した。また第二実験ではNOS阻害剤であるL-NAMEを0μMから500μMの濃度あるいはNO供与体であるNOC18を0から100μMの濃度を含む培地に置換し、14日間培養した。いずれの実験でも脂肪細胞分化の生化学的な指標であるGPDH活性および細胞中トリアシルグリセライド(TG)含量を測定した。また、培地中NO濃度をNO_2+NO_3濃度をグリース法により測定することで推定した。結果、インスリンの有無に関係なく、亜鉛の添加によりGPDH活性および細胞中TG含量は濃度依存的に上昇し、また、NO産生は濃度依存的に抑制された。さらにL-NAME添加によりNO産生は阻害され、GPDH活性および細胞中TG含量は上昇し、NOC18添加によりGPDH活性および細胞中TG含量は有意に減少した。このことから、亜鉛による脂肪細胞分化促進作用の一部はNO産生抑制を介していることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 田中真也: "亜鉛の脂肪細胞分化促進作用に及ぼす一酸化窒素(NO)の役割."微量栄養素研究. 16. 119-123 (1999)

  • [文献書誌] Hideo Yano: "Some factors to regulate adipocyte differentiation in beef cattle in relation to intramuscular fat accumulation"Asian-Australasian Journal of Animal Science. 13・(Sp). 219-226 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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