研究課題/領域番号 |
11556054
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用動物科学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
奥田 潔 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40177168)
|
研究分担者 |
野上 與志郎 岡山県総合畜産センター, 専門研究員(故人)
丹羽 晧二 岡山大学, 農学部, 教授 (40089115)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
キーワード | 内分泌学 / 子宮内膜細胞 / 黄体退行 / 妊娠認識 / 腫瘍壊死因子 / インターフェロン-τ / プロスタグランジン / HGF |
研究概要 |
受精卵移植時にインターフェロン-τ(IFN-τ)を応用することによる効率的子牛生産技術の開発のための基礎研究として、ウシ子宮内膜の増殖ならびにPGF_<2_α>分泌に関与する因子の検索とともに、それらの因子の作用に対するIFN-τの影響をin vitroにおいて検討し、以下のような新しい知見を得た。 1.ノルアドレナリン(NA)がオキシトシン(OT)と同様にウシ培養子宮内膜のプロスタグランジンPGF_<2_α>分泌を促進すること、また、その作用はProtein kinase Aを介していることを明らかにし、NAの黄体退行における子宮PGF_<2_α>合成への関与を示した。 2.ウシ子宮内膜のPGF_<2_α>分泌におよぼすOTおよび腫瘍壊死因子(TNFα)の影響について発情周期をおって検討し、その結果、黄体退行開始時期に、TNFαはPGF_<2_α>分泌を促進したのに対し、OTの作用は認められなかったことから、TNFαが黄体退行の開始に深く関与している可能性が示された。また、子宮内膜を構成する2種類の細胞のうち、OTは上皮細胞のみに、TNFαは間質細胞のみに作用することが明らかにされた。また、上記のTNFαの作用は、IFN-τによって抑制されたことから、IFN-τはTNFαの作用を抑制することによって妊娠維持に関与している可能性が示された。 3.ウシ子宮内膜のPGE2およびPGF_<2_α>分泌におよぼすTNFαの影響について発情周期をおって検討し、TNFαは発情周期を通じてPGE2およびPGF_<2_α>分泌を促進した。TNFαのPGE2刺激は発情周期を通じて一定であったが、PGF_<2_α>では黄体退行期に他のステージと比較して有意に強い刺激が認められた。また、黄体退行開始時期に、TNFαはPGE2/PGF_<2_α>分泌の比を有意に下げることが明らかとなった。 4.ウシ子宮内膜間質細胞でHGFが合成されており、上皮細胞にHGFレセプターが存在することを明らかにし、HGFがパラクライン機構で子宮内膜上皮細胞の増殖とPGF_<2_α>分泌に関与していることを明らかにした。
|