研究課題/領域番号 |
11556056
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
藤崎 幸蔵 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (00292095)
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研究分担者 |
神尾 次彦 (独)農業技術研究機構, 動物衛生研究所, 研究室長
玄 学南 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 助教授 (10292096)
五十嵐 郁男 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (80159582)
長澤 秀行 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60172524)
宮原 徳治 , 財団法人・化学及血清療法研究所, 研究員
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キーワード | ピロプラズマ原虫 / バベシア・エクイ / バベシア・カバリ / 介卵伝播 / PCR / ヘモサイト / 生物活性物質 / taransmission blocking vaccine |
研究概要 |
ウマバベシア病は、マダニ媒介性の2種類のバベシア原虫(Babesia equi、B. caballi)による馬、ラバ、ロバ、シマウマの感染症で、世界的に流行し、非汚染国は日本、米国など極めて少数に過ぎない。本病は、死亡率が時に50%を超えるなど悪性度が高いことから、我が国を含む多くの国々で家畜法定伝染病に指定されるとともに、重要な新興人畜共通感染症としても注目されている。我が国には戦後は現在まで一貫してウマバベシア病の流行・存在はないとされてきたが、最近の国際交易の増大や物流移動の迅速化は、輸出入管理検疫システムによる家畜疾病コントロールを困難なものに変えつつある。 本研究は、我が国で唯一のウマバベシア原虫培養技術を基盤とするウマバベシア原虫の遺伝子組み換え体抗原とこれによる酵素抗体法(ELISA)開発することによって、我が国におけるウマバベシア病の侵潤・流行の実態について、全国規模での抗体調査を実施しようとするものである。また、抗体陽性馬については、全国的に採集した馬体寄生性マダニとあわせて、PCRによるウマバベシア原虫DNAの存否についても検討するものである。 平成13年度は、B.caballi、B.equiの両原虫が流行しているモンゴルとブラジルのウマ寄生性マダニとして一般的なBoophilus microplusとDermacentor nuttaliの成ダニについて、原虫DNAの検出を行い、これらのマダニ種が介卵伝播によって原虫を媒介する可能性を初めて明らかにした。また、ウマバベシア原虫感染に対する媒介ダニの防御応答を明らかにし、将来のtaransmission blocking vaccine開発の基礎となる知見を得るために、マダニのヘモサイトの貪食能、マダニ体内の生物活性物質のクローニングと特性解明を行った。
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