研究分担者 |
吉松 組子 北海道大学, 医学部, 助手 (90220722)
小川 和重 岩手大学, 農学部, 助教授 (60231221)
首藤 文榮 岩手大学, 農学部, 教授 (60001533)
吉村 佳典 (株)エイアンドティー, 試薬開発グループ, マネージャー
三好 一郎 東北大学, 医学部, 助手 (10183972)
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研究概要 |
本研究の目標は,マウスのジーンターゲティングにおいて従来の主流であったノックアウト解析ではなく,ノックインにより,哺乳動物に存在しない特異的な目印(エピトープタグ)を標的分子に導入し,生体反応におけるその動向を抗エピトープタグ抗体で調べる方法を開発・実用化することである。本年度は,家族性乳癌原因遺伝子産物(Brca2)およびエンドトキシン誘導性新規遺伝子(MAIL)をモデル標的遺伝子として研究を展開した。 1.家族性乳癌原因遺伝子産物(Brca2)を標的とした検討 マウスBrca2ゲノムをポジティブ・ネガティブ選別が可能なhprtカセッテとつなぎ,二段階置換法によるジーンターゲティングを行うことを計画した。本年度は,ターゲティングベクターをES細胞に導入して相同組換え体を選別する段階まで進むことが出来た。 2.エンドトキシン誘導性新規遺伝子(MAIL)を標的とした検討 MAILはアンキリンリピートをもつIkBファミリーのメンバーであり,各種炎症性疾患で重要な役割をはたすことが予想されるがその機能はほとんど不明の新規遺伝子である。これを標的とした変異マウスを作製するために,まず,ゲノムDNAを分離し,塩基配列を決定するとともにそのエキソン。イントロン構造を明らかにした。さらにこれを用いてターゲティングベクターを構築することに成功した。 3.新規エピトープタグの開発 多分子間の相互作用を調べるためには,多数のエピトープタグが必要である。本研究では,ハンタウイルスに対するモノクローナル抗体のエピトープを同定した。また,この抗体はマウスやヒトの細胞に対して非特異的な反応がほとんど無いことを蛍光抗体法およびウエスタンブロット法によって確認した。
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