研究課題/領域番号 |
11557003
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
彼末 一之 大阪大学, 医学部, 教授 (50127213)
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研究分担者 |
永島 計 大阪大学, 医学部, 助手 (40275194)
井上 修 大阪大学, 医学部, 教授 (50159969)
大和谷 厚 大阪大学, 医学部, 教授 (30116123)
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キーワード | 温熱的情動感覚 / 行動性体温調節 / fMRI / 条件付け学習 |
研究概要 |
本研究では温熱的情動感覚(行動性体温調節)の神経機構を解析する実験系を開発した.特に、ヒトと動物での並行した解析を大きな目標に以下の検討を行った.1)ヒトの脳研究に大きな力を発揮するfMRI(機能的磁気共鳴映像法)を用いて、温熱的情動感覚に関連した脳部位を解析するための実験系を開発した.先ず、心理物理学的解析を行うための全身温度刺激装置(チューブスーツ)を製作した.それを用いてヒトに刺激を与えたときのfMRI像を実際に記録して有用性を確認した.また動物(ラット)が容易に学習することの出来る行動性体温調節システムを開発した.その系を用いて、行動性体温調節の関連脳部位についての予備的なデータを採取した. ◆ヒトでの実験:被験者が温度刺激装置の中に入った状態で、fMRI(GE社製1.5T)にて頭部の撮影を行った.20分間のコントロールの後20分間の全身冷刺激(13℃、8℃)を行い、実験中60分間のfMRI像を撮影した.スキャン間隔は6秒とした.感覚量は1分毎に申告する.これにより暑さ・寒さと脳活性部位との対応を検討した.その結果扁桃体に活性が観察され、この装置の有用性が確認された. ◆動物実験:昨年度開発した装置で冷風獲得、を3時間ラットに行わせた後、直ちに環流固定して脳を取り出す.免疫組織化学法によりFos蛋白発現の脳領域を検索した.上のような実験後にc-fosが発現した部位は体温調節行動に何らかの関係を持つと推測出来たが、特に正中視索前野に発現がみられた.
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