研究課題/領域番号 |
11557004
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
馬場 明道 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (70107100)
|
研究分担者 |
小山 豊 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (00215435)
重永 凱男 大阪大学, 歯学部, 教授 (90028770)
松田 敏夫 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00107103)
橋本 均 大阪大学, 薬学研究科, 講師 (30240849)
|
キーワード | 脳障害 / ミクログリア / アストログリア / 神経変性 / アポトーシス |
研究概要 |
1.顔面神経軸策切断によるグリア細胞の活性化: 脳障害後のグリア細胞の変化をラット顔面神経切断モデルで検討し、軸策損傷1-7日後顔面神経核において、GFAP陽性アストロサイトおよび活性化ミクログリアの増加を認めた.活性化したミクログリア数はその後、非傷害脳と同じレベルまで減少した。このことは、ミクログリアは、傷害により活性化し増加した後に、自ら細胞死を引き起こし、脳内での細胞数を保つことが示唆された。 2.ミクログリア細胞死の機構 ミクログリアが活性化後に示す細胞死の機構について、ラット大脳由来培養ミクログリアを用いて検討した。培地からの血清の除去は、ミクログリアにアポトーシス様の細胞死を引き起こした。この細胞死に伴ってアポトーシス誘導タンパクBaxおよびp53の発現増加が観察される一方、アポトーシス抑制タンパクBcl-2の発現は変化しなかった。これらのことは、ミクログリアのアポトーシスにBaxおypびp53の発現が関与することを示す。In vitroでミクログリアの活性化を惹起するLPSでの24時間の前処置は、血清除去による培養ミクログリアのアポトーシスを抑制した。しかし48-72時間の長期処置はそれ自体でミクログリアの細胞死を惹起した。LP`Sは培養ミクログリアのextracellular signal-regulated kinase(ERK)の活性化を引き起こした。アポトーシス抑制および惹起作用それぞれにおけるERKの関与をその特異的阻害薬PD098059を用い検討した。PD098059はLPSの血清除去による細胞し保護作用、および長期処置によるアポトーシスの両者を抑制した。これらの結果は、ミクログリアの生存、アポトーシスにERKの活性化が重要であることを示す。
|