研究課題/領域番号 |
11557013
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松本 満 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (60221595)
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研究分担者 |
松島 明美 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教務員 (70116862)
頼田 和子 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (60116879)
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キーワード | 主要組織適合複合体 / 自己免疫疾患 / 疾患感受性 / ノックアウトマウス |
研究概要 |
主要組織適合複合体(major histocompatibility complex ; MHC)にはヒト白血球型抗原(human leukocyte antigen ; HLA)の遺伝子群が存在し、多様なHLA分子は、免疫系による「自己」と「非自己」の識別機構に中心的な役割をはたす。特定のHLA型が自己免疫疾患への罹患し易さ(疾患感受性)と相関する現象は古くから知られているが、その機序は未だに不明である。そこで、申請者らはMHC領域の中でも、もっとも疾患感受性との関わりが深い腫瘍壊死因子(TNF)遺伝子の周辺に存在する、いわゆる非HLA遺伝子群についてノックアウトマウスを作製し、これらの遺伝子の疾患感受性に関与するメカニズムを調べる研究に取り組んでいる。すなわち、MHC遺伝子と疾患感受性との関わりを明らかにする目的で、セントロメアからテロメアにかけてlymphotoxin-β (LTβ)、TNF、lymphotoxin-α (LHα)の3つの遺伝子がクラスターを形成して存在する、いわゆるTNF/lymphotoxin locus周辺の遺伝子に焦点を当て、研究を進めている。本年度はTNF/lymphotoxin locusのすぐテロメア側に存在するIκB-like (IKBL)を破壊遺伝子としてtargeting vectorを構築し、ES細胞にtransfectionして相同組換え体を取得した。IKBLは幅広い免疫調節作用をもつ転写因子(NF-κB)の抑制因子であるIκBと構造上の相同性をもつことから命名され、何らかの免疫調節作用をもつことが推測されるが、生体内での機能は不明である。しかしながら、IκBとの構造の類似性から、炎症を主病変とする疾患の病態形成に関与している可能性が高いと考えられるため、現在、取得した相同組み換え体からマウスの樹立に向けて、作業を進めている。
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