研究課題/領域番号 |
11557016
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 佐賀医科大学 (2000-2001) 筑波大学 (1999) |
研究代表者 |
渡辺 照男 佐賀医科大学, 副学長 (40037396)
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研究分担者 |
本田 一男 山之内製薬, 筑波研究所, 薬理研究所長
范 江霖 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (60272192)
木本 雅夫 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (40153225)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 体細胞核移植技術 / クローンウサギ / トランスジェニックウサギ / 単為発生 / 卵細胞活性化 / 動脈硬化 / リポ蛋白 / 動物モデル |
研究概要 |
1.細胞核移植技術を用いたクローンアポ蛋白(a)トランスジェニック[apo(a) Tg]ウサギの作製を目指して以下の基礎的技術の検討を行い、卵子の体外発生および活性化に関わる因子などを検討した。 (1)ウサギ未受精卵子の単為発生における至適培地を検討するため、未受精卵細胞を電気刺激により活性化後種々の培地で培養した。培養7日後において桑実胚あるいは胚盤胞を形成した割合を指標に至適培地を検討したところ、ES細胞培養用に調製された培地および血清を用いると,卵細胞は桑実胚あるいは胚盤胞の形成率が高かった。 (2)apo(a) Tgウサギ胎仔よりドナーとしての繊維芽細胞を分離、培養した。hCG注射後15〜17時間後に未受精卵子を採取し、Hoechst33342で染色後、蛍光顕微鏡下で第2減数分裂中期の染色体を吸引除去した後、無血清培地下で3日間培養したドナー細胞を卵腔内に注入し電気刺激により細胞融合・活性化を行った。調製した融合細胞(415個)を12羽偽妊娠させた雌ウサギの卵管内に移植したが、出産できるまでにはまだ至らない。現在、3週間後に帝王切開を行うことにより胎仔が作製されるかどうかを検討中である。また、168個の卵子と110個の核移植した胚を用いて、塩化ストロンチウムで活性化させた後、細胞の分裂状態を評価した。今後は、この方法で核移植を進めていくこと考えている。 2.これまで作製したヒトアポ蛋白(a)を発現するトランスジェニックウサギを用いた動脈硬化の解析を行った。 高コレステロール食を負荷したトランスジェニックウサギでは、コントロールウサギに比べて動脈硬化病変の形成が促進されていた。動脈硬化病変は動脈の全領域にわたって観察されたが、特に胸部大動脈・腸骨動脈・冠状動脈において進行した病変像が観察された。病理学的な解析により、apo(a)は平滑筋細胞の表現型を調節することにより動脈硬化病変の進展を制御している可能性が示唆された。
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