研究概要 |
1.APC yeast color assayの開発と臨床応用。 APCのcDNAは全長8.5kbあるのでこれを5つの領域に分割してストップコドンアッセイ系を作製した。領域IとIIのアッセイにはRNAを、領域III,IV,VのアッセイにはゲノムDNAを用いた。大腸癌では23例中12例(52%)が異常と診断された。さらにこれまで知られていなかった乳癌においても70例中13例(18%)に異常が見いだされ、塩基配列の決定により全てにクローナルな変異が証明された。 2.p53 dominance assayの開発と臨床応用。 p53遺伝子のdominant negative変異を検出する酵母アッセイ法を開発した。これは、野生型p53と変異型p53を同時に酵母に発現させ、どちらの形質が発現するかを色彩の変化で検出する方法である。神経膠芽腫では、dominant negative変異をもつ場合30歳台で発症するのに対し、resessive変異では50歳台に発症することが明らかになった。 3.PTEN stop coton assayの開発と臨床応用。 癌抑制遺伝子PTENの酵母アッセイ法を開発した。この方法では、PTEN遺伝子にナンセンス変異があると酵母は赤に、偽PTEN遺伝子が発現している場合にはピンクになる。PTEN変異のある症例には偽PTEN遺伝子発現がなく、PTEN変異がない症例では偽PTEN遺伝子が発現する相補的関係が証明された。
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