研究課題/領域番号 |
11557024
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
足立 昭夫 徳島大学, 医学部, 教授 (90127043)
|
研究分担者 |
姫野 國祐 徳島大学, 医学部, 教授 (50112339)
明里 宏文 徳島大学, 医学部, 助手 (20294671)
小山 一 徳島大学, 医学部, 助教授 (80109074)
内山 恒夫 徳島大学, 医学部, 講師 (90151901)
|
キーワード | HIV / Gag / キャプシド / Vpr / アポトーシス |
研究概要 |
本年度の主な成果は要約は以下の如くである。 作製したHIV-1 Gag変異体22株のうち14株がトランスドミナントに野生株の複製を阻害した。抑制効果のあるものは、マトリックス(MA)、キャプシド(CA)及びp6変異体であった。特に強い抑制効果を示すCA変異体は、モル比2倍量で完全に野生株の複製を阻害し、阻害効果は複製初期(脱穀/DNA合成過程)と後期(放出/成熟過程)の両方に認められた。CD4陽性株にこのCA変異体を発現させるとその細胞は完全にHIV抵抗性となった。この場合も変異Gagはわずかの発現量で野生株の複製を阻害した。これらのGag変異体の中にはHIV-2の複製をも阻害するものがあった。結論として、HIV-1 Gag変異体、特にCA変異体は様々なHIVに対して強い複製阻害効果を示し、抗HIV遺伝子として極めて有望である。 Vpr発現ベクターを導入して樹立した細胞株は、ソルビトール処理によるアポトーシスに抵抗性となった。しかし、その細胞ではVprの発現量が極めてわずかであったため、細胞選択の過程で特殊な細胞が得られている可能性があった。この点を明確にするため、HIV-1とVSV-Gとの間でシュードタイプウイルスを作製し、細胞選択を行なわずにHIV-1 Vprのアポトーシス抑制能を検討してみた。このシステムでは高力価のシュードタイプウイルスが安定に得られ解析が容易であった。全ての細胞がウイルスに感染した状態で解析すると、HIV-1 VprはアポトーシスをCD4陽性細胞に誘導すること、また、抗アポトーシス作用はないことが明らかとなった。今後HIV-1複製とアポトーシスの関係を明確にし、抗HIV戦略の基礎としたい。
|