研究課題
基盤研究(B)
P53により活性化され、DNA修復に重要な役割を果たすgadd45遺伝子を紫外線(UV)が活性化することが知られていたが、p53以外による活性化経路は不明であった。私達はUVがgadd45遺伝子をプロモーターレベルにて活性化することと、その活性化にOct1が関与していることを見いだした。さらに、発癌抑制や癌患者の予後に関係する重要な発癌抑制関連遺伝子であるp27遺伝子プロモーターを発癌抑制効果の知られるVitamin D_3(VD_3)が活性化することにより、細胞増殖抑制効果を示すことを明らかにした。興味深いことに、VD_3はVD_3受容体を介さずに、Sp1とNF-Yを介してp27プロモーター活性を活性化することを見いだした。この結果は、VD_3の副作用として重要な高カルシウム血症の要因となるVD_3受容体を介さない、すなわち高カルシウム血症のない薬剤開発の可能性を示すデータとして興味深い。さらにp53の標的遺伝子であるWAF1をプロモーターレベルで活性化することが突然変異の予防に有用である可能性を示し、酪酸などのヒトスン脱酵素阻害剤が有用であることを報告してきたが、今回それにはWAF1プロモーターのSp3が重要であることを見いだした。
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