研究分担者 |
近江 俊徳 自治医科大学, 医学部, 助手 (40296091)
奥田 浩 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50285772)
岩本 禎彦 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10232711)
熊田 真樹 自治医科大学, 医学部, 助手 (40326830)
亀崎 豊実 自治医科大学, 医学部, 助手 (90316513)
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研究概要 |
RHDとRHCE両遺伝子の全塩基配列を決定し,遺伝子構造に関する詳細な検討を行った。その結果,両遺伝子内にAlu配列をはじめとする多数の分散型繰り返し配列ならびに様々なSTRの存在を確認することが出来た。また,両遺伝子のアライメント解析により,イントロン1,2などに2〜3kbの範囲で多重組換えを起こしていると考えられる領域が同定された。イントロン2については,塩基置換,gaps数と組換え領域の解析により,c型とD型が2回組換えを起こした後に,1つのAlu-Sx配列が挿入されたC型のイントロン2が生じたことが推測された。 Rhポリペプチドとコンプレックスを形成するRh50糖蛋白(RhAG)は,赤血球系細胞に特異的に発現することが示唆された。RHAG遺伝子の発現調節メカニズムを明らかにすることを目的として,赤芽球系細胞株特異的なDNaseI感受性領域の同定とクローニングを行った。その結果,-10kb付近にDNaseI高感受性領域を見出したが,同部位には強いエンハンサー活性が認められた。マウスのrhag遺伝子の上流をクローニングし,コンピューターによるマッチング解析を行った結果,この領域は高度に保存されていることも明らかになった。このエンハンサー配列に結合し,アンカーとなる転写因子はGATA-1であることも判明し,RhAG発現のコントロール機序の一端を明らかにすることが出来た。 Rhシステムにかかわる各種variantの分子遺伝学的解析も順調に進展した。Partial Dについては,新たなタイプを同定することが出来た。また,weak Dの解析を進め,質的ならびに量的なRhD抗原の変化によることを証明した。
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