研究課題/領域番号 |
11557037
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
宮坂 信之 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (30157622)
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研究分担者 |
戸塚 哲也 ノバルティス・ファーマ株式会社, 研究本部, 研究員
小池 竜司 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50250220)
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キーワード | 接着分子 / 粘膜免疫 / ホーミング / GALT / 経口寛容 / 関節炎 |
研究概要 |
接着分子MAdCAM-1は腸管関連リンパ組織の血管内皮細胞に特異的に発現し、部位特異的なリンパ球ホーミングに関与していることから、経口寛容の成立に重要な役割を果たしている可能性が考えられる。そこで我々はラットアジュヴァント関節炎での経口寛容の成立におけるMAdCAM-1の関与につき検討を行った。タイプIIコラーゲンをラットに経口投与することによりアジュヴァント関節炎の誘導が抑制された。その際に我々の作製した抗MAdCAM-1中和抗体あるいはコントロール抗体を腹腔内投与した場合、両者で関節炎の程度に有意な差が見られず、MAdCAM-1が経口寛容の成立に関与するとの証拠は得られなかった。一方、胎仔、新生仔ラットの腸管では成熟ラットよりも広範にMAdCAM-1の発現が認められることが判った。このことからリンパ組織の形成期においてMAdCAM-1が経口寛容に関与している可能性も考えられ検討が必要である。また同時期では成熟ラットでは発現していない胸腺や皮膚に発現が見られ、さらに新生仔ラットの胸腺細胞ではMAdCAM-1結合能を持っているのに対し、成熟ラット胸腺細胞は結合能を持っていなかった。これらのことは同時期においてMAdCAM-1が様々なリンパ組織でのリンパ球の移動に関与し、リンパ組織形成期における自己トレランスの成立に関与している可能性を示唆し、今後の検討が必要である。
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