研究課題/領域番号 |
11557045
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長瀬 隆英 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40208004)
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研究分担者 |
魚住 尚紀 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70313096)
石井 聡 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10300815)
横溝 岳彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60302840)
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キーワード | 血小板活性化因子 / ARDS / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
本研究では、発生工学的手法を応用し、脂質性メディエーターの炎症性肺疾患発症機序における重要性について検討する。特に、ARDS、特発性間質性肺炎、気管支喘息などにおける、PAFおよびエイコサノイド関連遺伝子の意義を明らかにすることにより治療の標的を明確にし、有効な治療法、治療薬の開発および実用化を目的とする。本研究では、発生工学的技術を用いて作成した遺伝子ノックアウトマウスおよびトランスジェニックマウスを使用する。 平成12年度: <PAFR-Tg、PAFR-KO、cPLA_2-KOマウスの遺伝的背景純化・作成> PAFR-Tgマウス系、PAFR-KOマウス系、cPLA_2-KOマウス系各々について、遺伝的背景を均一にするため、C57BL/6マウスへのバッククロスを10代以上に進めた(99.9%に純化)。 <炎症性肺疾患におけるPAFR、cPLA_2遺伝子発現の関与> 炎症性肺疾患モデルとして、ARDS、特発性間質性肺炎、気管支喘息の動物モデルを用いた。マウス各群に、塩酸気管内投与またはLPS投与(ARDS)、ブレオマイシン気管内投与(特発性間質性肺炎)、抗原感作(気管支喘息)などの処置を行い、生理学的、生化学的、免疫組織化学的、分子生物学的検討により、PAF受容体遺伝子発現およびcPLA_2遺伝子発現と炎症性肺疾患の関係について評価・検討を加えた。 特に、ARDSに関しては、PAF受容体遺伝子発現およびcPLA_2遺伝子発現が極めて重要であることが明らかになり、治療薬開発の標的となりうる可能性が呈示された(2000年7月、Nature Immunology誌に論文掲載)。
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