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2001 年度 実績報告書

発生工学的手法を用いた炎症性肺疾患治療法の展開(副題)エイコサノイド、PAFを標的に

研究課題

研究課題/領域番号 11557045
研究機関東京大学

研究代表者

長瀬 隆英  東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40208004)

研究分担者 魚住 尚紀  日本学術振興会, 特別研究員 (70313096)
石井 聡  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10300815)
横溝 岳彦  東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60302840)
キーワード血小板活性化因子 / ARDS / ノックアウトマウス / トランスジェニックマウス
研究概要

<研究結果>
(A)気管支喘息・気道過敏性:(1)PAF受容体遺伝子:コントロール群に比べ、PAFR-Tgマウスにおいて気道過敏性を認めた。この気道過敏性が、アトロピン感受性のメカニズムに依存することを明らかにし、論文発表した(Am. J. Respir. Crit. Care Med. 2002)。(2)cPLA_2:ovalbumin感作マウスに抗原投与した場合、cPLA_2-KOマウスでは野性型群に比べ、気道収縮が著明に軽減していた。また野性型群で認められた気道過敏性が、cPLA_2-KOマウスでは認められなかった。
(B)ARDS:(1)PAF受容体遺伝子:ARDSモデルとして、塩酸気管内投与を行なった。呼吸不全・肺水腫は、PAFR-Tgにおいて他群に比べ有意に著明であった。一方、PAFR-KOでは他群に比べ有意に軽度であった。(2)cPLA_2遺伝子:ARDSモデルとして、塩酸気管内投与またはエンドトキシン投与を行なった。cPLA_2-KOマウスでは野性型群に比べ、肺水腫、低酸素血症、好中球浸潤がいずれも有意に軽減していた。
<本研究成果の実用化への見通し・実用化後の社会的貢献度>
炎症性肺疾患は、社会的に極めて重要な疾患となっている。ARDSは、難治性、致死性において他に類をみない程、重篤な疾患であり、治療薬の開発が切実に待たれている。気管支喘息は、世界的にも発症頻度、死亡率が増大しつつあり、画期的な喘息治療薬の開発が期待されている。本研究の成果により、cPLA_2をはじめ炎症抑制治療の標的が明確になりつつあり、今後、有効な治療法・治療薬の開発および実用化は近いと思われる。ARDSや難治性気管支喘息に対する治療薬の開発実現化は、社会医学的にも医療福祉・医療経済的にも莫大な貢献をなすものである。本研究の成果は科学誌に公表され、国内・国外を問わず、注目を受けつつある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Nagase, et al.: "Airway hyperresponsiveness in transgenic mice overexpressing platelet activating factor receptor is mediated by an atropine-sensitive pathway"Am J Respir Crit Care Med. 165. 200-205 (2002)

  • [文献書誌] Y.Yamaguchi, S.Fukuhara, T.Nagase, et al.: "A novel mouse β-defensin, mBD-6, predominantly expressed in skeletal muscle"J Biol Chem. 276. 31510-31514 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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