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2000 年度 実績報告書

アドレノメデュリンの臨床診断と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 11557057
研究機関宮崎医科大学

研究代表者

江藤 胤尚  宮崎医科大学, 医学部, 教授 (10038854)

研究分担者 北 俊弘  宮崎医科大学, 医学部, 助手 (70315365)
加藤 丈司  宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20274780)
北村 和雄  宮崎医科大学, 医学部, 講師 (50204912)
坂田 恒昭  塩野義製薬(株), 医科学研究所, 主任研究員
キーワードアドレノメデュリン / 血管拡張性の降圧ペプチド / 新規循環調節ペプチド / 血管拡張作用 / 降圧作用 / レコンビナントAM(rec-AM) / AM-Gly(iAM) / 心拍出量増加作用
研究概要

"アドレノメデュリン(AM)"は1993年にヒト褐色細胞腫より発見された強力な血管拡張性の降圧ペプチドである。AMは副腎髄質以外に心血管系の主要な組織で広く産生され、新しい降圧ペプチドとして循環調節に重要な機能を果たしている可能性が示唆されている。本研究では新規循環調節ペプチドであるAM臨床応用のための研究を行っている。
ヒト血中を循環しているAM免疫活性は成熟型AM(mAM)が合成される前の中間体のAM-Gly(iAM)であることを証明した。この事実に基づいてAMの測定キットはmAMおよびmAMとiAMを合わせたtotalAMの測定キットとして塩野義製薬と協同で開発した。降圧活性を有するmAMは主に下肢の血管床や心臓で産生、分泌され、肺循環でクリアランスされていることが明らかとなった。mAMが特に静脈系で高濃度に循環していることは、mAMの主な作用が体液量、肺血管抵抗の調節に関与していると推察された。今後各種疾患におけるmAMとtotalAMの血中濃度が明らかにされてくると思われる。また、ごく最近、ELISAを用いた、10amol/mlまで測定可能な超高感度の測定系の確立にも成功し、今後はAMが減少している病態等も明らかにされてくることが期待できる。
一方AMの治療薬としての応用をするため、レコンビナントAM(rec-AM)の合成を行い、rec-AMが化学合成したAMと同等の血管拡張作用や降圧作用、in vitroでのcAMP増加作用を有することを明らかにした。今後、recAMを用いた慢性の効果も明らかにされると期待されている。
一方化学合成されたAMに関しては、血管拡張作用や利尿作用および心拍出量増加作用等を考えると心不全の治療薬として期待できる。心不全モデル動物にAMを投与し、病態を改善することが明らかになり、ヒト心不全治療に対してあらたな治療手段となることが期待されている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Kiyomizu A., et al.: "Distribution and molecular forms of adrenomedullin and proadrenomedullin N-terminal 20 peptide in the porcine gastrointestinal tract."J Gastroenterol.. 36. 18-23 (2001)

  • [文献書誌] Kinoshita H., et al.: "Increased plasma levels of mature adrenomedullin in chronic glomerulonephritis."Nephron. 86. 333-338 (2000)

  • [文献書誌] Yamakawa H., et al.: "Diastolic wall stress and ANG II in cardiac hypertrophy and gene expression induced by volume overload."Am J Physiol Heart Circ Physiol. 279. H2939-H2946 (2000)

  • [文献書誌] Hirano S., et al.: "Differential responses of circulating and tissue adrenomedullin and gene expression to volume overload."J Card Fail. 6. 120-129 (2000)

  • [文献書誌] Kuwasako K., et al.: "Visualization of the calcitonin receptor-like receptor and its receptor activity-modifying proteins during internalization and recycling."J Biol Chem. 275. 29602-29609 (2000)

  • [文献書誌] Tsuruda T., et al.: "Enhanced adrenomedullin production by mechanical stretching in cultured rat cardiomyocytes."Hypertension. 35. 1210-1214 (2000)

  • [文献書誌] 北俊弘,江藤胤尚: "高血圧クリーゼ"南江堂. 397-401 (2000)

  • [文献書誌] 江藤胤尚: "Vascular Compliance"メディカルレビュー社. 110-113 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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