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1999 年度 実績報告書

覚醒レベル向上を目指した抗てんかん薬の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11557059
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東北大学

研究代表者

飯沼 一宇  東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80004927)

研究分担者 増田 義信  大日本製薬株式会社, 創薬研究所, 主任研究員
横山 浩之  東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (40271952)
萩野谷 和裕  東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (00208414)
キーワードPTZキンドリング / H1受容体ノックアウトマウス
研究概要

本研究の最終目的は覚醒レベル向上を目指した新しい抗てんかん薬を開発することである。このためわれわれは中枢ヒスタミンがヒスタミンH1受容体を通して、けいれん抑制に働くこと、ヒスタミンH3受容体がヒスタミンの放出を制御していることから、H3受容体阻害薬によって覚醒アミンであるヒスタミン放出を促すという発想に至った。
H3阻害薬の効果をみるために、先ず、中枢ヒスタミン神経系のH1受容体ノックアウトマウスを用いて、ペンチレンテトラゾール(PTZ)による全般てんかんモデルのキンドリングを作成することにした。
雄性ICRマウス(25g)と雄性H1受容体欠損マウスの野生型(+/+)とH1KO(-/-)を使用した。PTZキンドリングは、PTZ(30-50mg/kg)を連日25日間投与し、けいれん持続時間、けいれんstage、けいれんまでの時間を記録した。行動観察後脳を取りだし、大脳、中脳、小脳、延髄に分け、ヒスタミン含量を測定した。対照群には生理食塩水を投与した。ICRマウスのキンドリングは、PTZ用量依存的にけいれんの度合いが強くなり、30mg/kg群で死亡したマウスは見られなかったが、40mg/kg、50mg/kgと用量が高くなるにつれ、死亡したマウスの数も増加した。この時の脳内ヒスタミン含量は用量依存的に増加していた。H1KOはPTZ(30mg/kg)投与1日目よりけいれんの持続時間が長く、けいれんstageの進行も早かった。H1受容体欠損マウスと野生型(対照群)の脳内ヒスタミン含量は変わらなかったが、25日間連続投与群では、H1KOは野生型マウスより脳内ヒスタミン含量が増加していた。
以上の結果より、H1受容体はPTZキンドリングに対し抑制的に作用していることが確認された。今後このモデルに対して、H3受容体阻害薬の効果を検討し、けいれんへの効果と行動について観察する予定である。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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