研究課題/領域番号 |
11557063
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
玉置 邦彦 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (30010432)
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研究分担者 |
中村 晃一郎 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (60175502)
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キーワード | T細胞 / 皮膚特異的 / CLA / DETC / dermal Thy-1+DC / IFN-γ / IL-12 / IL-18 |
研究概要 |
皮膚特異的T細胞としてはヒトでcutaneous lynphocute associated antigen(CLA)を発現しているT細胞の存在が指摘されており、CLA陽性T細胞は血管内皮細胞に発現しているEセレクチンを介して皮膚に浸潤してくることが明らかにされている。興味あることにヒト皮膚に存在する抗原提示細胞であるランゲルハンス細胞(LC)もCLAを発現しており、LCの皮膚への遊走に際してもCLAが関与している可能性のあることが明らかとなった。マウスにおいては表皮にdendritic epidernal T cell(DETC)と呼ばれるγδT細胞受容体(TCR)を発現しそのほとんどがγ_3δ_1である均一なT細胞集団がある。また真皮には我々が見出したThy-1抗原を発現している大型の樹枝状細胞(dermal Thy-1+DC)が存在している。この細胞の一部がγδTeRを発現していることも明らかにされている。DETCの皮膚における役割りとしては接触皮膚炎の抑制に働いているとされている。接触皮膚炎の表皮ではIFN-γのmRNAが検出されており、それは浸潤T細胞に由来するとされていた。今回我々はこのDETCがIFN-γを産生する可能性について検討した。先ずDETCを90%以上の純度で採取することを試み、パニング法によってそれに成功した。そのDETCをIL-12とIL-18によって刺激したところ、それぞれ単独ではできなかったが、両者を同時に加えたところ著名なIFN-γ産生が見られた。IFN-γ産生はC57BL/L由来DETCの方がBALB/C由来のものより多く産生しており、これがC57Bl/6がTh1へ偏位する要因のひとつでる可能性が考えられた。このことからDETCの接触皮膚炎への関与については再検討する必要があると考えられる。真皮のdermal Thy-1^+DCについてはIL-7トランスジェニック(tg)マウスで検討し、これらの増殖と皮膚炎発症の関係が示唆されている。これらや、胎仔マウス皮膚のT細胞については現在検討を加えている。
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