研究課題/領域番号 |
11557071
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
高後 裕 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10133183)
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研究分担者 |
梅田 衛 日水製薬株式会社, 研究本部, 主任研究員
鳥本 悦宏 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00281882)
矢島 博文 東京理科大学, 理学部, 助教授 (10147506)
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キーワード | 可溶性トランスフェリン受容 / トランスフェリン受容 / トランスフェリン |
研究概要 |
乖離操作を含まない方法で、本来の構造を可能な限り維持した状態で健常人血清より可溶性トランスフェリン受容体(sTfR)の精製を試み、その性状の検討及び構造を推定した。また、肝疾患症例と血液疾患症例のsTfRの構造が同一か否かをTfRに対する各種単クローン抗体の反応性から検討した。 1 TfRに対する単クローン抗体の作成。(1)ヒト胎盤由来のintact TfRをマウスに免疫し、単クローン抗体TR101、TR104を作成した。(2)健常人プール血清よりTR104を用いたアフィニティカラムにてsTfR-トランスフェリン(Tf)複合体を精製した。(3)得られたsTfR-Tf複合体をマウスに免疫し、単クローン抗体TR112を得た。 2 血清からのsTfR複合体の精製。(1)抗TfR単クローン抗体結合Sepharose 4Bカラムへ血清を添加後、NH4OH溶液(pH11)で溶出し、TfR分画を回収した。(2)回収した分画をさらにmonoQカラムによりTfR分画を回収した。 3 血清より精製したsTfRはTfRとTfのコンプレックスで、その分子量は235kdと、TfR2分子(85kd×2=170kd)とTf 1分子(65kd)の分子量と一致した. 4 血清そのものを用いたゲルろ過分画のsTfRは、今回精製したsTfRと同様の分子量であった. 5 sTfRとTfの結合形態は、各種単クローン抗体との反応性から、sTfRのC末がTfを覆っている構造で、N末側ではsTfRがフリーになっておりTfが若干露出した形が推測された. 6 血液疾患と肝疾患での血清sTfRは,抗TfR抗体に対する反応性が異なり、その構造に違いがある可能性が示された.
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