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2000 年度 実績報告書

国際標準品作成のための可溶性トランスフェリン受容体分子の単離と構造決定

研究課題

研究課題/領域番号 11557071
研究機関旭川医科大学

研究代表者

高後 裕  旭川医科大学, 医学部, 教授 (10133183)

研究分担者 梅田 衛  日水製薬株式会社, 研究本部, 主任研究員
鳥本 悦宏  旭川医科大学, 医学部, 講師 (00281882)
矢島 博文  東京理科大学, 理学部, 助教授 (10147506)
キーワード可溶性トランスフェリン受容体 / トランスフェリン / HFE / 血液疾患 / 肝疾患 / 慢性関節リウマチ / 抗トランスフェリン受容体抗体
研究概要

昨年度、健常人血清中から乖離操作を含まない方法を用いて、本来の構造を維持した状態で可溶性トランスフェリン受容体(sTfR)を精製し、その性状を解析した。その主要な形態は、トランスフェリン1分子とsTfR2分子から成る複合体であることを示した。また、トランスフェリン受容体(TfR)の異なるエピトープを認識する単クローン抗体を作成し、血液疾患と非血液疾患における血清sTfRに対する反応性を検討した。非血液疾患として肝疾患症例を用いて検討したところ、血液疾患と肝疾患での血清sTfRは,抗TfR抗体に対する反応性が異なりその構造に違いがある可能性が示された。今回は、血清sTfR高値を示す代表的疾患である鉄欠乏性貧血と臨床的に鑑別が最も問題になる慢性炎症による貧血の血清sTfRの性状を解析するため、慢性関節リウマチ患者血清sTfRに対する抗TfR抗体の反応性を検討した。その結果、肝疾患患者血清を用いた場合と同様に、鉄欠乏性貧血患者と慢性関節リウマチ患者血清sTfRは抗TfR抗体に対する反応性が異なり、血液細胞由来のsTfRと非血液疾患由来のsTfRの構造に違いがあることが確認された。一方、TfRは細胞膜上では、遺伝性へモクロマトーシスの原因遺伝子産物であるHFEと細胞外部分を介して会合し、TfRを介した鉄の取り込みを制御しているが、HFEもまた、膜から遊離し血中に存在する可能性が考えられている。そこで、HFEに対するポリクローナル抗体を作成し、前述の精製sTfR複合体を用いてwestern blot解析した。その結果、血清sTfRの一部は、血清中に存在するHFEと複合体を形成していることが明らかになった。これらの事実は、血清中には由来する細胞によって異なる抗原性を持つsTfRがトランスフェリン、HFEと複合体を形成して存在している可能性を示している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Ikuta K,Fujimoto Y,Suzuki Y,Tanaka K,Saito H,Ohhira M,Sasaki K,Kohgo Y.: "Overexpression of hemochromatosis protein, HFE, alters transferrin recycling process in human hepatoma cells."Biochim Biophys Acta. 1496・2-3. 221-231 (2000)

  • [文献書誌] 鳥本悦宏,高後裕: "トランスフェリン受容体と赤血球造血"臨床血液. 41. 554-558 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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