研究課題/領域番号 |
11557079
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
立元 一彦 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60240694)
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研究分担者 |
小林 功 群馬大学, 医学部, 教授 (50008273)
高山 清茂 群馬大学, 医学部, 教授 (90134270)
清水 弘行 群馬大学, 医学部, 講師 (20251100)
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キーワード | アペリン / APJ / オーファン受容体 / サイトカイン / HIV / コレセプター / 生体防御機構 / エイズ感染 |
研究概要 |
本研究では、アペリンmRNAが肺、心臓、脳、卵巣、脂肪、乳腺などに広く発現していることを見いだした。また、APJ受容体も脳、脾臓、卵巣、小腸、大腸、白血球などにも広く存在していることを明らかにした。そこで、アペリンは広範囲な組織に分布し生体内で多様な生理作用を有することが推測された。また、我々は各種細胞におけるアペリンおよびそのレセプターであるAPJの遺伝子発現をRT-PCR法により検討したところ、アペリンmRNAが脂肪細胞3T3L-1、動脈平滑筋A7r5細胞、胃粘膜RGM-1細胞、T細胞Molt-4などに発現していることを見いだした。アペリンのレセプターAPJの遺伝子も3T3L-1細胞およびA7r5細胞などに著名に発現していた。3T3L-1細胞やA7r5細胞にはアペリンおよびそのレセプターであるAPJの両方の遺伝子発現が認められることから、これらの細胞ではオートクリンあるいはパラクリン機構を介して細胞情報伝達が行われているものと考えられた。また我々は、アペリンがAPJ受容体の内因性リガンドであり、APJ受容体がエイズ感染におけるコレセプターの一つであることから、アペリンの抗エイズウイルス作用について検討した。その結果、アペリンがCD4とAPJを発現させたヒト脳由来神経膠腫細胞に対するエイズウイルスの感染を阻止することを見いだした。エイズウイルス感染阻止作用は、アペリン36が最も強く、アペリン12より低濃度で感染を阻止した。また我々は、アペリンがマウスBALB/c脾臓細胞のインターフェロンおよびインターロイキンの産生を抑制することも明らかにした。すでに我々は、アペリンが肝臓のKupffer細胞にも存在することを観察しているので、アペリンが生体防御機構において何らかの役割を演じていることが推測された。
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