研究課題/領域番号 |
11557086
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮川 周士 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90273648)
|
研究分担者 |
村上 博 日本動物工学研究所, 研究員
鄭 文玉 (池田 義孝) 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60252657)
岡部 勝 大阪大学, 遺伝情報実験施設, 教授 (30089875)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
キーワード | α1-3GT / Knockout / ターゲッティングベクター / Cre-loxP system / コドン / Transgenic mouse / Transgenic pig / GnT-III |
研究概要 |
1)ノックアウトマウスの作成 α1,3GTを3つのloxPではさんだDNAをもつマウスに、Creをもつマウスを交配させたが、3箇所あるloxPのうち肝心なloxPが飛ばず、失敗に終わった。現在、2つのloxPだけでα1,3GTのexson9をはさむ簡単な構築のタッゲテイングベクターを作り直している。 2)GnT-IIIマウス・ブタの作成 糖転位酵素GnT-IIIをβ-actin promot er pCXに挿入し、マウスおよびブタに発現させた。 トランスジェニックマウス組織でのGnT-III発現は、全般的にみられたが、特に膵臓でおおかった。トランスジェニックブタではGnT-III発現は全般的にみられた。 次に各組織での抗原性の変化を調べた。トランスジェニックマウスの場合腎臓では変化を認めなかったが、心、肝、肺、膵では抗原性の低下を認めた。 また、ブタでは野生型で皮膚、脳での抗原性が低く、トランスジェニックブタでのこれらの臓器の変化はに乏しかった。しかし、トランスジェニックブタのその他の臓器でははっきりした抗原性の低下を認めた。 さらに、トランスジェニックブタから血管内皮を培養し検討した。GnT-IIIブタの血管内皮は、野生型のブタからの血管内皮に比べて、40-60%抗原性が下がり、ヒトNK細胞に対する感受性も落ちていた。また、ヒト血清による細胞傷害を40-50%抑制し得た。 最後にこのトランスジェニックブタの心臓を異所性にサルに移植した。野生型ブタをのサルに移植した場合、rejection timeは25分と165分であった。一方、トランスジェニックブタの心臓を移植した場合、高titerの自然抗体をもつサルのでは153分であったが、ふつうのサルに移植した場合240分後も大きな変化なく拍動していた。作成し得たトランスジェニックブタの有用性が確認された。
|