研究課題/領域番号 |
11557090
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
三浦 直行 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40165965)
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研究分担者 |
吉田 進昭 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10250341)
川原田 良彦 秋田大学, 医学部, 助手 (10091802)
寺田 邦彦 秋田大学, 医学部, 助教授 (60197796)
上里 忠良 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (40115465)
竹内 隆 三菱化学生命科学研究所, 先端研究部門, 主任研究員
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キーワード | Rb蛋白 / トランスジェニックマウス / 化学発癌 / 肝細胞癌 / 結節 / フェノバルビタール |
研究概要 |
癌抑制遺伝子Rbはもともと網膜芽細胞腫の原因遺伝子として単離された。Rb蛋白は細胞増殖抑制作用を持ち、多くの腫瘍ではRb蛋白の喪失を伴っていることが知られている。申請者は、生体におけるRb蛋白の機能を検討するために、Rb蛋白を肝臓に大量に発現するトランスジェニックマウスを作製した。得られた2系統のマウスとも肝臓は正常サイズでかつ正常の組織像を示した。 このトランスジェニックマウスが化学発癌抵抗性を示すかどうかを検討した。化学発癌にはRbトランスジェニックマウス雌とC3H雄のF1(遺伝的背景:B6C3F1)を用いる。F1の内、ヒトRbトランスジーンを持たないマウスをコントロール、トランスジーンを持つマウスを実験とする。肝臓化学発癌プロトコールは以下のようにする。まず、生後6週齢のマウスにジエチルニトロソアミン(DEN)を、腹腔内投与し、一週間後からフェノバルビタール含有水を35週継続飲水させる。コントロールマウス、Rbトランスジェニックマウス肝臓の病理標本を作製し、腫瘍性病変の性質、悪性度、頻度を検討した。コントロールマウスでは、肝細胞癌と多数の結節が誘導された。Rbトランスジェニックマウスでは、結節数が明らかに減少した。また、肝細胞癌の出現は認められなかった。以上の結果から、Rb蛋白は生体の中では、発癌抑制に働いていることが明らかになった。
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