研究課題/領域番号 |
11557097
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
森下 靖雄 群馬大学, 医学部, 教授 (40145470)
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研究分担者 |
高橋 徹 群馬大学, 医学部, 助手 (20292584)
竹吉 泉 群馬大学, 医学部, 講師 (60272233)
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キーワード | 冠灌流保存 / 冠灌流装置 / 心停止ドナー / 心移植 / セルシオ液 |
研究概要 |
【目的】教室では長時間心保存を目的とした冠灌流装置を開発し、24時間保存心の移植実験を通してその有効性を報告してきた。今回、短時間低圧持続冠灌流を加えた後に保存した心停止ドナー心を同所性に移植し、心停止ドナーからの心移植の可能性を検討した。【方法】体重8.5〜12.0kgの雑種成犬を12対、計24頭用いた。脱血による心停止を確認後20分間の温阻血とした。実験を4℃のCelsior液に4時間単純浸漬したcontrol群(n=6)と、酸素化した同液を灌流装置で1時間低圧持続冠灌流した後3時間単純浸漬したCP群(n=6)に分けた。2群とも、計4時間の保存後同所性に移植し、体外循環離脱1、2時間後に心拍出量(CO)、end-systolic maximal elastance(Emax)を測定した。また、体外循環離脱2時間後、左室自由壁の一部を採取し、心筋内水分含有率および病理組織学的な差を検討した。【結果】全例体外循環より離脱可能であった。体外循環離脱1時間後のCO回復率はcontrol群(67.0±4.1%)に比べCP群(83.3±5.0%)で有意に(P<0.05)高値であった。2時間後ではCO回復率(54.7±5.Ovs77.6±7.8%)およびEmax(6.5±0.6vs9.4±0.8mmHg/ml)で、control群に比べCP群が有意に(P<0.05)高値であった。心筋内水分含有率(81.1±1.7vs76.3±1.3%)は、control群に比べCP群が有意に(p<0.05)低値であった。病理組織学的には、CP群がcontrol群に比べ細胞構築とグリコーゲン顆粒の保存が良好であった。【結語】酸素化Celsior液を用いた短時間の低圧持続冠灌流を加えることで保存心は良好な心機能の回復が得られ、本方法による心停止ドナーからの心移植の可能性が示唆される。
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