研究課題/領域番号 |
11557098
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小塚 裕 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (10126055)
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研究分担者 |
池田 博之 宇部興産株式会社, 高分子研究所, 主席研究員
窪田 博 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (00262006)
江連 雅彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (20282642)
桑原 邦生 宇部興産株式会社, 高分子研究所, 主席研究員
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キーワード | 大動脈瘤 / ステントグラフト / ステント / ステントグラフト内挿術 / 血管内手術 / 超薄型人工血管 / 高吸水性ポリマー / 自己膨潤型人工血管 |
研究概要 |
本年度は以下の研究を行った。 1)超薄型人工血管の作製:厚さ40〜142μmの平織りの超薄型人工血管を作製した。 2)超薄型人工血管の物理的性質の検討:(1)厚さ40〜142μmの超薄型人工血管の電顕像からグラフトの表面構造とその均一性を検討した。壁厚75μm以上では、人工血管の均一性が保たれていた。(2)人工血管の壁厚と有孔度の関係、壁厚と強度の関係を検討した。厚さ75μmの超薄型人工血管のWater Permeabilityは380±53ml/min/cm2であり、Longitudinal Tensile Strengthは13.1±0.9Kgであった。 3)超薄型人工血管を用いたステントグラフトの動物実験:Cook社製Z-stentと超薄型graftを縫合し、stent graftを作製した。雑種成犬3頭を用い、外腸骨動脈よりstentgraftを胸部下行動脈内に留置した。さらに成犬4頭に対して、下行大動脈に自己大腿動脈パッチを2ヶ所に縫着し、うち1ヶ所にstentgraftを留置した。1,3,6月後に犠牲死させ組織学的検査を行った。stentgarft留置部の開存は良好で、内面には新生血管内皮が認められた。stentgraftを留置しなかったパッチ逢着部は瘤化を認めたが、stentgraft留置部分では瘤化を認めなかった。 4)自己膨潤型人工血管の作製:壁厚75μmの超薄型人工血管と超吸水性ポリマー(SAP-C)を用いて3層構造の人工血管を作成した。内層のグラフとの外側にシート状SAP-Cを巻き、その外側に外層のグラフとを被せ、両断端をポリプロピレン糸で縫合して作製した。 5)吸水による自己膨潤型人工血管の壁厚の変化の検討:自己膨潤型人工血管の生理食塩水吸収による壁厚の変化を検討した(n=5)。SAPグラフトの壁厚は吸水前の0.68±0.04mmから吸水後は2.76±0.32mmに有意に増加した。
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