研究概要 |
本研究計画では細胞アポトーシスの重要な制御因子であるBaxおよびBcl-2の遺伝子改変マウスを用い,脊髄損傷における二次性損傷に続発するアポトーシスの意義を解明し,かつ薬剤治療効果判定のために有用な動物実験モデルを開発することを目的としている. 本年度は遺伝子改変マウスを用いる本実験のための予備的研究として,同系マウスにおける脊髄損傷モデルの確立を行った.この結果,空気圧にて衝撃子を正確に制御できるpneumatic impactor deviceにて第11胸椎の椎弓切除下に衝撃子の移動距離1mm,移動速度1m/sの衝撃を与えることにより,病理組織学的・神経学的評価の双方において満足する成績を得た.この結果は近日中に誌上発表の予定である. 現在,Baxトランスジェニックマウス,Bcl-2ノックアウトマウスにて本実験を開始し,脊髄損傷後の神経学的変化・病理組織学的変化を非改変マウスとの比較検討中である. 次年度にはさらにBaxノックアウトマウスおよびBcl-2トランスジェニックマウスを用いて脊髄損傷とその回復における神経細胞アポトーシスの役割についての解析を解析を継続する.
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