研究課題/領域番号 |
11557111
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 愛知文教女子短期大学 |
研究代表者 |
古川 美子 愛知文教女子短期大学, 教授 (20219108)
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研究分担者 |
新田 淳美 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (20275093)
岩田 章子 愛知文教女子短期大学, 講師 (20149503)
古川 昭栄 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90159129)
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キーワード | 脊髄損傷 / ニューロトロフィン / NGF / 脊髄 / エンザイムイムノアッセイ法 / RT-PCR法 / ラット / 再生 |
研究概要 |
申請者らは長年にわたる研究から、いくつかの低分子化合物がNGFをはじめとするニューロトロフィンの合成をinvitroおよびin vio系で促進することを明らかにしてきた。ニューロトロフィン受容体が脊髄内にも存在すること、損傷後の脊髄内ではこれらの受容体量が増加するなどの報告を考え合わせると、再生能が低くこれまで不可能とされてきた脊髄損傷修復においてもニューロトロフィン合成誘導物質の投与は有効であると考えられる。 本研究はこれらの化合物の脊髄損傷治癒における効果を検討することを目的とするが、今年度は、脊髄におけるニューロトロフィン遺伝子・タンパクの発現、および脊髄損傷に伴う変動について検討した。 まず、若年ラットにおけるNGFタンパクの脊髄内分布をエンザイムイムイムノアッセイ法で調べた。その結果、ほぼ脊髄全体に均一に分布することが明らかになった。そこで、損傷モデルラットとして10週令ラット(雄)を用い、部位の特定が比較的容易な第8-9胸髄間の脊髄を横断切断することとした。先ず、脊髄損傷後3週間にわたって経時的に脊髄を採取し、NGFの分布を調べた。その結果、切断部の両端で2日後から有意にレベルの増加が認められ、1週間後をピークとして3週間後までに続くことが明らかになった。NGFmRNA量をRT-PCR法で調べると、1日後に切断部の両端で有意に増加し、4日後には正常値に戻った。この結果は、NGFの合成が脊髄損傷に呼応して誘導されること、NGFが脊髄損傷治癒に何らかの役割を担っている可能性を示唆するものである。 次年度以降は他のニューロトロフィンについても脊髄損傷後の変動を調べ、合成担当細胞種を同定する予定である。
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