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2001 年度 実績報告書

ニューロトロフィンの産生を促進する低分子化合物の開発-脊髄損傷の修復をめざして-

研究課題

研究課題/領域番号 11557111
研究機関愛知文教女子短期大学

研究代表者

古川 美子  愛知文教女子短期大学, 教授 (20219108)

研究分担者 新田 淳美  岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (20275093)
岩田 章子  愛知文教女子短期大学, 助教授 (20149503)
古川 昭栄  岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90159129)
キーワード脊髄損傷 / ニューロトロフィン / 脳由来神経栄養因子(BDNF) / グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF) / 神経再生 / ラット / 免疫抑制剤 / イムノフィリンリガンド
研究概要

免疫抑制剤をはじめとするイムノフィリンリガンドには神経再生促進活性や神経細胞保護作用が報告されているがその作用機構は不明である。我々はすでに神経栄養因子の産生を促進する低分子化合物として4-メチルカテコールを見出し、ラット腹腔内に投与すると著明に末梢神経の再生を促進することを報告している。この経験と実績から、イムノフィリンリガンドの神経系への効果は神経栄養因子の産生誘導を介した作用ではないかと考え、培養細胞を用いて検討したところ、免疫抑制剤のシクロスポリンA、FK506が脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)の産生を促進することを見出した。さらにラット腹腔内に連続投与するとin vinoの脳組織でのBDNF、NT-3またはGDNF含量が有意に増加することを観察し、イムノフィリンリガンドが神経栄養因子の産生促進物質であることを証明した。しかし神経系に作用させる場合免疫抑制作用は生体に不利益をもたらす。そこでFK506の結合タンパク質(FKBP12)との結合部位の構造に類似するいくつかの疎水性ジペプチドの活性を検討し、Leu-Ileに強いBDNFとGDNFの産生増強作用を認めた。Leu-Ileに免疫抑制作用はないことから、優れた神経栄養因子産生促進物質であることが判明した。そこで次にLeu-Ileの脊髄損傷修復効果を検討した。ラットの左脊髄を鋭利に切断し、腹腔内にLeu-Ileを1日1回投与し、切断側の運動機能をモニターした。しかしLeu-Ileを投与した損傷ラット群はある程度の回復を示したが、非投与群と比較して有意な改善効果はなかった。さらに他の脊髄損傷モデル(全切断、挫傷)への効果も含め、投与量、投与法(損傷部、髄腔内)の検討が必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Ohmiya et al.: "Administration of FGF-2 to embryonic mouse brain induces hydrocephalic brain morphology and aberrant differentiation of neurons in the postnatal cerebral cortex"Journal of Neuroscience Research. 65. 228-235 (2001)

  • [文献書誌] Ohmiya et al.: "Brain-derived neurotrophic factor alters cell migration of particular progenitor cells in the developing mouse cerebral cortex"Neuroscience Letters. 377. 21-24 (2002)

  • [文献書誌] 古川昭栄, 古川美子: "神経栄養因子の産生調節機構 -Ca^<2+>とcAMPシグナルのクロストーク-"組織培養工学. 27. 500-505 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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