研究課題
基盤研究(B)
1)Brain-4の標的遺伝子組換え法による欠失変異体マウスの聴性脳幹反応(ABR)では、野生型マウスのABR波形や閾値は正常であった。一方、Brain-4欠失変異ホモ接合マウスでは高度の難聴を呈していた。さらに、難聴の機序を検索するために内リンパ静止電位(EP)の測定を試みると、野生型マウスではEPは85から115mV(n=9)であり、ホモ変異体マウスでは36から52mV(n=6)と明らかなEPの低下を認めた。野生型では、線維細胞は形質膜の無数の襞を伴う高度に屈曲した形を呈しており、細胞質には豊富なミトコンドリアを認めた。一方、変異体では形質膜の襞の減少、細胞質内のミトコンドリアの減少、細胞質の容積の減少が認められ、変性過程を示唆した。Brn-4変異体で認められた線維細胞の変性によって血管条へのK^+イオンの供給が阻害され、EPの形成に異常が生じたと推定される。2)線維細胞によるK^+イオンのrecyclingの通路であるギャップ結合蛋白のコネキシン26の遺伝子(GJB2)の異常を日本人の難聴患者で同定した。先天性難聴者39人の内、5人に遺伝子変異を認めた。3人は1塩基欠失235delCのhomoで、1人が1塩基欠失235delCと16塩基欠失176-191del(16)のhetero、1人が16塩基欠失176-191del(16)と終止コドン408c>aのheteroだった。聴力正常者200人において、235delCを2人に、176-191del(16)を1人にheteroで認めた。
すべて 2003 2000 1999
すべて 雑誌論文 (12件)
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