研究課題/領域番号 |
11557125
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山岨 達也 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (60251302)
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研究分担者 |
後藤 雄一 国立精神・神経センター, 微細構造, 部長(研究職) (20225668)
浅野 知一郎 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (70242063)
鈴木 光也 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (50302724)
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キーワード | ミトコンドリア遺伝子 / 難聴 / 蝸牛 / 血管系 / 有毛細胞 / 脳節症 |
研究概要 |
本年度はゲルマニウム食をモルモットに与え、内耳、筋肉、腎臓、心臓の病理変化やミトコンドリアの変化を調べる実験を継続して行なった。これまでの経過ではゲルマニウム0.05%食を与えても、1年まで病理学的に明らかな異常は見られず難聴も生じなかった。このためゲルマニウム食を0.2%に増量(ラットやマウスでは著明な変化の出る濃度)したが、若干の体重減少などはみられたが著明な筋萎縮や難聴は出現しなかった。病理学的検討でも明らかな筋肉の変性やミトコンドリアの増加・膨化・封入体の出現などの異常はほとんどみられなかった。このため今回1%のゲルマニウム食を与えたところ、1ヶ月までに急性腎毒性により死亡した。現在0.5%ゲルマニウム食を投与してその経過を検討しているが、2ヶ月までに著明な体重減少があり、筋萎縮や難聴が出現している。今後病理学的に筋肉・内耳組織・心臓・腎臓など精査を行なう予定である。 ヒトミトコンドリア遺伝子3243位の異常では糖尿病の重症度および難聴の発症年齢と相関がある事が判明した。また1555位点変異の検索を行ない、アミノ配糖体の投与がない症例でも難聴を生じる事、また神経筋症状がなくとも、筋病理で変性や封入体の発現が見られる事を示した。
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