研究概要 |
前年度の研究の結果、成熟ラット耳下腺管腔膜ヘAQP5を保持する作用は、私共が検索した薬物の中ではcis-2-methylspiro-(1,3-oxathiolane-5,3')-quinuclidineが最も高く、この薬物の高齢ラット及び高齢病態ラットへの適応について本年度は検索した。 1]耳下腺管腔膜AQP5のcis-2-methylspiro-(1,3-oxathiolane-5,3')-quinuclidineによる増量の加齢変化-8、104週齢ラットの耳下腺切片を、cis-2-methylspiro-(1,3-oxathiolane-5,3')-quinuclidineとKrebs Ringer Tris(KRT)液(pH7.4)を用いて37℃にて加温振盪後、LongbottomらやVayroらの方法を応用して基底膜、管腔膜、細胞内小胞膜等に細胞分画した。SDS-PAGEに供した後、抗AQP5抗体を用いてウェスタンブロッティングを行い、デンシトメーターにて解析した。10分後8週齢ラットでは上述分泌刺激薬で2倍の管腔膜でのAQP5の増量があったが104週齢のそれは1.5倍に低下した。しかし、30分後104週齢ラットでもコントロールより高い値を示していた。 2]耳下腺遊離細胞における分泌刺激薬による[Ca^<2+>]iの動態の加齢変化-各週齢ラットの耳下腺遊離細胞をKRT液に浮遊後、Fura red-AM(10μM)を30分間室温にて負荷する。共焦点顕微鏡で[Ca^<2+>]i及び[Ca^<2+>]iオシレーションを測定した。上述分泌刺激薬を添加すると104週齢の耳下腺遊離細胞でも30分間続く長い[Ca^<2+>]iオシレーションが認められた。
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